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2023年5月14日(日)

被告の権利侵害懸念

仁比氏 GPS装着に反対

参院法務委

写真

(写真)質問する仁比聡平議員=9日、参院法務委

 日本共産党の仁比聡平議員は9日、参院法務委員会で、刑事訴訟法等の改定法(10日成立)にある、起訴状等に被害者氏名などを記載しない「秘匿制度」について質問しました。

 仁比氏は、性犯罪被害者の個人特定事項が犯罪加害者に知られることで、報復のおそれや社会的な名誉・平穏な生活への侵害、その不安から被害申告や法廷証言を躊躇(ちゅうちょ)し、被害者が二次的に傷つけられる可能性に言及し、刑事裁判での被害者保護は重要だと主張しました。

 仁比氏は「従来、起訴状等や証拠書類に表れる被害者などの個人特定事項を、被告人が知りたいと言っても、『知る必要はない』などと被告人を納得させることも、高度の弁護士倫理の範疇(はんちゅう)で行われてきた」と指摘しました。

 仁比氏は、弁護人に被害者氏名などを開示する場合も、「被告人に知らせてはならない」などの条件に反すれば懲戒申し立てなどの制裁が行われる規定は、「被告人の弁護を受ける権利を侵害し、実質的当事者対等のための弁護人制度を脅かす危険がある」と懸念を表明しました。

 同委での改定案採決に先立つ討論で仁比氏は、改定法で導入する保釈中の被告人への位置測定端末(GPS)装着はプライバシー侵害の度合いが強く、「必要性、合理性が厳格に検討されなければならない」と反対を表明しました。


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