2023年5月13日(土)
きょうの潮流
ロシア語を学び始めて1年になります。昨年3月にロシア軍がウクライナの子どもたちのいる建物を爆撃したのがきっかけです▼東部マリウポリの劇場に避難していた子どもの存在をロシア軍に知らせるため、ロシア語で書かれた「子どもたち」。建物わきの地面に大きな字で。ロシア軍が無視した文字の読み方を知りたくて、4月からのNHKラジオ講座を聞き始めました▼6カ月間の初級編で、「ロシア語は文法が難しいといわれますが、仕組みを理解してしまえば、とてもわかりやすい」とは講師の言葉。単語の変化の多さに途中からついていけず、録音で聞き直しているうちに1年経過。ロシアのことわざ「遅れても、全然やらないよりはマシ」に救われました▼始めたころは、電車の中でテキストを開くのもはばかられる雰囲気。テキストの投稿欄「うたごえ」には「こんなご時世だから」とロシアの人や文化を知り、勉強したいと声があり、共感しました▼講座の最終回は「~でありますように」と願望を表す学習でした。例文として「いつも平和でありますように!」「戦争がなくなりますように!」とありました。平和はミール。「世界」と同音異義の語です▼3月のNHK全国俳句大会の「自由題」では、ロシア語学習者の句が特選に入りました。「ロシア語を学び続けて春を待つ」(小峯千枝子さん)。選者の一人は「反戦の思い、平和を希求する思いがこういうことで表せる」と評価。語学は、私たちの世界を広げてくれます。








