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2023年5月11日(木)

徹底追及 統一協会

ダミー団体の学校 ODA支援

アフリカ・セネガル 安倍首相・岸田外相の下で

穀田氏質問で判明

 統一協会(世界平和統一家庭連合)はアフリカでも「宣教」をしています。その活動を日本政府がODA(政府開発援助)で支援していたことが、日本共産党の穀田恵二衆院議員による国会質問で明らかになっています。支援の背後に何があるのか―。(統一協会取材班)


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(写真)日本共産党の穀田恵二衆院議員が外務省から提出を受けた資料。ODAの供与先の和名が「女性平和団体」となっています(一部加工)

 アフリカ・セネガル駐在の日本大使から外相宛てに送られた「電信」があります。穀田氏の求めに外務省が提出した書類です。日付は2014年11月末。セネガルで職業訓練校を建設するため日本円で約955万円をODAで支出したいと承認を求めた書類です。

 外務省によると、ODAの「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による資金供与で、供与限度額は、原則1000万円以下。限度額に対してほぼ満額を提供した形です。セネガルでは日本円で数億円に匹敵する金額だとされています。

調査約束したが

 不思議なことに書類には、ODAを提供する団体の和名が「女性平和団体」としか記されていません。

 一体どんな団体なのか―。穀田氏は昨年11月11日の衆院外務委員会で「世界平和女性連合」の報告書をもとに、この職業訓練校を同連合が運営している、と指摘しました。世界平和女性連合は、統一協会の開祖文鮮明(故人)と妻で現総裁の韓鶴子が創設した団体です。同28日には衆院予算委員会で日本共産党の田村貴昭議員の質問に対し、岸田文雄首相が調査を約束しました。

 ところがその4カ月後、林芳正外相は調査の結果、「女性平和団体は独立したNGO団体であり、世界平和女性連合の傘下団体ではない」(3月17日、衆院外務委員会)と断言したのです。

 穀田氏はさらに調査を重ね追及します。

 ―女性平和団体の代表は、セネガルの世界平和女性連合のメンバーで「副会長」とされている。

 ―校舎には韓鶴子の肖像画が飾られている。

 ―世界平和女性連合から8000ユーロ分の機材を提供されていた。

 ―校舎にある看板には、世界平和女性連合のフランス語の略称である「FFPM」とシンボルマークが描かれている。

 ―職業訓練校の公印にも「FFPM」の文字が使われている。

 統一協会がダミー団体の世界平和女性連合をつかって、職業訓練校を信者獲得の拠点にしている疑いがあるのです。

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(写真)統一協会関連団体「世界平和女性連合」の報告書にはセネガルで「職業訓練校運営」と記載されていました

証拠出されても

 “証拠”がこれだけ出されているにもかかわらず、なぜ外務省は統一協会関連団体と認めないのか―。

 実は、ODAを供与した当時の外相は岸田文雄首相でした。当時の首相は、統一協会と近い関係にあった安倍晋三氏です。

 高額献金などで被害を広げてきた反社会的団体へ日本政府が税金を供与し、海外活動にお墨付きを与えたかっこうです。穀田氏は資金の返還請求をすべきだとしてこう指摘しています。「統一協会との関係を断つと表明した岸田政権の根本姿勢が問われる」


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