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2023年5月7日(日)

主張

能登で震度6強

被害拡大させない対策強化を

 石川県能登地方が強い地震に見舞われました。珠洲市では5日午後2時42分ごろ震度6強を観測しました。倒壊した建物の下敷きになって負傷した人がいます。はしごから転落して亡くなった人もいます。能登地方ではその後も体に感じる地震が続き、強い揺れも発生しています。6日は雨が強まっており、土砂災害への警戒が必要です。被災者支援を急ぐとともに、住民の命を守ることを最優先に、被害を拡大させない取り組みを強めることが重要です。

土砂災害への注意が必要

 能登地方では2020年12月ごろから地震活動が活発化しています。気象庁によれば、5日の強い地震の前まで、震度1以上の地震が313回ありました。昨年6月19日には震度6弱の地震が起きました。政府の地震調査委員会は4月、地震活動は当分続くと考えられるとの見解をまとめています。

 震度6強となった5日の地震はマグニチュード(M)6・5でした。この3年弱で最大規模です。気象庁は、地震のエネルギーは昨年6月の地震(M5・4)の40~50倍だとしています。

 珠洲市では激しい揺れによって民家の1階部分が押しつぶされたり、裏山のがけが崩れて民家を直撃したりするなどの被害が出ました。瓦が落ちたり、窓ガラスが割れたりした家は少なくありません。昨年の地震で壊れて修復を終えたばかりのところが再び被害にあった住民もいます。家の中は落下して壊れた食器などが散乱し、足の踏み場がないと訴える被災者が相次いでいます。

 断水が起きて、給水車が出動しています。開設された避難所に被災者が身を寄せています。地震がおさまらない中で被災者の不安は尽きません。睡眠がほとんどとれない人もいます。気温差が大きい季節の変わり目であり、コロナ対策も含めて健康に過ごせる環境整備は欠かせません。自治体は被害の状況や被災者のニーズを速やかに掌握し、支援を強める必要があります。政府は自治体まかせにするのでなく、支援が行き届くようにしなければなりません。

 気象庁は揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度は最大震度6強程度の地震への注意を喚起しています。震源によっては津波の恐れもあります。やむを得ない事情がない限り、危険な場所に立ち入らないことも呼びかけています。相次ぐ地震で耐震性が弱くなっている建物があります。2度目の大きな揺れが被害を大きくした2016年の熊本地震の教訓を想起することが大切です。

 石川県では07年3月、震度6強の能登半島地震で大きな被害を出しました。昨年3月には福島・宮城両県で震度6強の地震が発生するなど、日本では高い頻度で大きな地震が起きています。

地震多発国の政治の役割

 地震のたびに原発に対する国民の不安が募ります。能登半島には北陸電力の志賀原発が立地しています。地震・津波が繰り返される日本で原発依存を続けることは危険です。それは東京電力福島第1原発事故の痛苦の教訓です。

 約2000もの活断層がある日本に地震と無縁の地域はありません。災害から国民の命を守ることが政治の大きな役割です。地域の防災力を強め、災害リスクを減らす政治への転換が必要です。


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