2023年5月7日(日)
植民地支配「英国王は謝罪を」
12カ国の先住民指導者 戴冠式向け共同声明
英連邦の12カ国の先住民の指導者らが5日、チャールズ英国王に対し、6日の戴冠式で、英国の植民地支配や先住民への集団殺害がもたらした影響を公式に認め、謝罪のプロセスを開始するよう求める共同声明を発表しました。(伊藤寿庸)
書簡は、「先住民や奴隷とされた人々に対する恐ろしい影響や、集団殺害や植民地支配の名残を認め」、「正式な謝罪と賠償的正義のプロセスを開始する」よう要請しています。
具体的には、昨年6月の英連邦首脳会議で、チャールズ国王が過去の誤りについて「会話をする時が来た」と述べたことを受けて、▽今も続く奴隷制の影響についての会話の開始▽抑圧、資源の略奪、文化の否定に関する賠償についての話し合いと、王室が獲得した富を盗まれた人々に再配分することの約束―を要請。
また英国の博物館などが所蔵する人骨の返還や、先住民から奪われたすべての美術品・宝物の返還などを提起しています。
英紙ガーディアンによると、署名者の一人のオーストラリアの先住民アスリート、ノバ・ペリス氏は「王室にとっては難しい会話かもしれないが、聞くことから変化が始まる」と述べています。
12カ国は、いずれも英植民地支配の遺制として英国王を国家元首とするアンティグア・バーブーダ、ニュージーランド、オーストラリア、バハマ、ベリーズ、カナダ、グレナダ、ジャマイカ、パプアニューギニア、セントクリストファー・ネビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーンです。








