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2023年5月4日(木)

主張

G7と核兵器

主要国は被爆地で責任果たせ

 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が19~21日、広島市で開かれます。被爆地で初めて開催されるサミットが、核軍縮に向けてどのような姿勢を示すか、世界が注目しています。

日本共産党が3点を要請

 ウクライナ侵略を続けるロシアが核兵器の威嚇を繰り返し、隣国ベラルーシへの戦術核兵器配備を表明するなど、世界は核使用の現実の危険に直面しています。ロシアの言動は断じて許されませんが、今日の危機の背景には、核保有国全体に重大な責任があると言わなければなりません。

 日本共産党の志位和夫委員長は4月28日、「核兵器廃絶に向けたG7国会議員フォーラム」=核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)主催=で「G7サミットへの要請」として以下の3点を求めました。

 ▽核兵器の非人道性を告発し、被爆者と面会して、その声に真摯(しんし)に耳を傾ける▽「自国核兵器の完全廃絶の明確な約束」など、核不拡散条約(NPT)第6条に基づく核軍縮義務を果たす▽広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことを前提にした「核抑止力」論を根本的に見直す。そして核兵器禁止条約への前向きな姿勢を示すことを強調しました。

 長野県軽井沢町でのG7外相会合は、原爆によって「極めて甚大な非人間的な苦難を長崎と共に想起させる広島」で首脳会議が開催されることに言及したコミュニケを発表しました(4月18日)。「非人間的な苦難」を言うのなら、G7は被爆者に敬意を払い、核兵器の非人道性を告発すべきです。

 一方、同コミュニケは、核兵器は「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止」すると述べ、「核抑止」政策をとり続けることも表明しました。ヒロシマ・ナガサキの再現を前提にした議論を被爆地で行うことは許されません。

 G7サミットが核兵器問題を巡りいかなるメッセージを発信するかが問われています。昨年8月のNPT再検討会議では、ロシアの反対で採択されなかったとはいえ、最終文書案をG7も受け入れました。ICANの国会議員フォーラムで志位氏は、最終文書案に明記された▽核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道的結末への深い懸念▽核兵器の全廃を達成するという核兵器国の明確な約束の再確認▽核兵器禁止条約の発効と第1回締約国会議の開催への「認識」―の3点を最低限発信すべきだと発言しました。道理ある提起には、参加していた海外の議員からも「エクセレント(素晴らしい)」「グレート(すごい)」などの声が上がったと言います。

 G7サミット議長国として日本は、唯一の戦争被爆国にふさわしい役割を果たすべきです。核兵器禁止条約への支持と参加の表明を日本政府に求める署名には、多くの自治体首長から賛同が寄せられています。「サミットを広島で開くなら、核兵器廃絶の先頭に立つべきだ」。岸田文雄政権は国民の声にこたえなければなりません。

期待される市民社会の力

 サミットを前に日本政府には、国際的な市民社会から核軍縮の要請も行われました。日本の反核平和運動が被爆者とともに力強く声を上げ行動することが重要です。核兵器禁止条約への日本の参加を求める共同を大きく発展させることが期待されます。


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