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2023年5月4日(木)

徹底追及 統一協会

巨額資金で豪華宮殿

日本の信者に「伝道」10倍化を指示

 統一協会(世界平和統一家庭連合)の本部があり「聖地」とされる韓国・清平(チョンピョン)で、巨額の資金を投じて建設中の豪華宮殿「天苑宮(てんえんぐう)」。その奉献式(完工式)が5日に開かれます。日本の信者に1家庭あたり183万円もの献金を求めるだけでなく、協会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は「伝道」を10倍化するよう指示しています。全国霊感商法対策弁護士連絡会は、被害の拡大に危機感を強めています。(統一協会取材班)


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(写真)天苑宮の完成予想図(統一協会の動画から)

 「真のお母様(韓総裁)が今、最も関心を寄せておられることは何だと思いますか? 天苑宮の奉献です」

 日本の統一協会を指揮する方相逸(パン・サンイル)・神日本大陸会長は1月4日、東京都渋谷区の日本本部に幹部と職員を集め、そう強調しました。方会長は、天苑宮が「神様が在臨される唯一無二の聖殿」で「この世のどんな建造物よりも美しさと威厳を持たなければならない」と説明し、その完成が「真のお母様の願い」だと述べています。

 日本の統一協会では、昨年10月7日からの200日間を天苑宮の完成に向けた「特別精誠期間」とし、足が遠のいている信者の「復帰」や献金を集める口実になる集団結婚の「展開」に力を注ぐことが呼びかけられました。

 安倍晋三元首相の銃撃事件後、高額献金に社会的批判が高まり、統一協会は日本本部の予算を半分にすると表明しました。しかし、天苑宮建設のために集める献金は“別枠”です。勅使河原(てしがわら)秀行・教会改革推進本部長は昨年10月4日の記者会見で、天苑宮建設の献金は「予算(の削減)にかかわらず、たぶん韓国に送ることになる」と説明しています。

「左翼の宗教迫害」主張

批判あび活動強化

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(写真)韓国で開く集団結婚式を案内する統一協会の動画サイト

 統一協会(世界平和統一家庭連合)が日本での活動を飛躍させるとして、新たに信者に呼びかけたのが「伝道の10倍化」です。

 「こういうときこそ伝道ができます。10倍化を目指すのです」

 韓鶴子総裁は、日本で統一協会を厳しく批判する報道が続いていることを聞き、そう電話で指示しました。

 電話口で方相逸・神日本大陸会長は「はい! 分かりました。必ず10倍化を勝利します!」と答えたといいます。

 統一協会の会報誌『世界家庭』では、伝道中心の体制を強化する方針が示され、青年部で勧誘活動が進んでいることも紹介されています。

 なぜ統一協会が活動を強化しているのか―。そこには、社会から厳しい目が向けられている現状を「左翼勢力による宗教迫害」と主張して、「試練を乗り越える」という方針があるからです。

 九州に住む上村雅博さん(70代)=仮名=は、統一協会に入信して献金を繰り返してきた妻について「毎月の収入の10分の1を差し出す『10分の1献金』に加え、4月は『感謝献金』の名目で2万5000円を寄付していた。夫婦関係も冷えきり、何を言っても聞く耳を持とうとしない」と疲れた声で話します。

 統一協会は天苑宮の完工式に続き、7日には信者の集団結婚式も開催します。

 統一協会の被害者救済に取り組む渡辺博弁護士は「天苑宮の完工式や集団結婚式に日本からも信者が参加し、資金を持ち込むことが考えられる。新たな被害につながる動きとして警戒する必要がある」と指摘しています。


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