しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年5月2日(火)

勝訴確定「大きな一歩」

「ニュース女子」訴訟 辛淑玉さん会見

写真

(写真)最高裁決定を受け、弁護団と東京都内で会見する辛淑玉さん(中央)=1日

 沖縄の米軍施設反対運動について地上波番組「ニュース女子」で名誉を毀損(きそん)されたとして、人権団体共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)さんが制作会社と司会を務めた男性を訴えた訴訟で、最高裁で勝訴が確定したことを受け、辛さんと弁護団が1日、都内で会見しました。辛さんは「決して負けてはならない裁判だったが、日本の司法で最高裁まで勝ち続けられたことは大きな一歩だった」と振り返りました。

 2017年1月に放送された番組は、沖縄のヘリパッド建設反対運動について「過激」「襲撃される」「テロリスト」などと表現。スタジオトークで出演者が辛さんを名指しし、「差別とたたかうカリスマ」「お金がガンガン集まってくる」などと発言しました。

 会見で辛さんは「番組は『戦争はいやだ』とたたかう沖縄の人を、在日朝鮮人という私の出自を利用して愚弄(ぐろう)しあざ笑った。裁判で原告になれたのは名指しされた私だけだが、テレビ会社は沖縄の人たちにも謝るべきだ」と語りました。

 また、「沖縄への差別と在日への差別に加えて、ミソジニー(女性嫌悪)がある。生意気な朝鮮人である女の口をふさぐことが、彼らにとって気持ちのいいことだったのだろう」と述べました。

 番組の放送後にインターネットなどを通じた誹謗(ひぼう)中傷が殺到し、一時欧州に逃れたとも語りました。「しかしネットでの攻撃からは逃げられなかった。かつては右翼的な団体などが攻撃者だったが、ネット時代の今は大衆が攻撃する。日常生活の中で知らない人に罵倒される。どこまでヘイトスピーチが広がっていたのかがよくわかった」

 一審と二審の判決は制作会社に550万円の支払いと、謝罪文の掲載を命じた一方、司会者の男性への賠償請求は認めませんでした。最高裁は4月26日、会社と男性の上告を退けました。


pageup