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2023年4月30日(日)

きょうの潮流

 活動のきっかけは、学校行事中に目の前で子どもがおぼれたことでした。“ライジャケサンタ”森重裕二さんは、元小学校教員。子どもたちにライフジャケットを手渡そうと、発信を続けます▼危険だと思っていたのに意見を言わなかったことを反省し、勤務校で水辺の安全やライジャケの必要性を訴えました。そんな矢先、近隣の小学校の児童2人が川で死亡する事故が。「もっと早く知らせていれば…」。涙が止まらず、自分の使命として声を上げ続けようと決意しました▼「おぼれてしまってから何かするというのは無理なんです」。バチャバチャ騒ぐこともなく、シュッと一瞬で水の中に入ってあとは出てこない。水が濁っていたら、姿は消えて見えなくなってしまう。そんな危険性を動画で伝えます▼過去の判例では学校や園、子ども会などが水辺に子どもを連れていく時は、着用義務があるとされたことがあります。必要な時すぐに準備できる環境を整えるため「全ての自治体でレンタルステーションを」とクラウドファンディングも実施しています▼効用は安全面だけではありません。体が浮くことで安心して遊べるため、遊びの可能性が広がる道具だということも、声を大にして伝えたいと。「“楽ちん、楽しい、安心”を体験すると、ライジャケなしはあり得ません」。森重さんもここ20年、ライジャケを相棒に川や海での水遊びを楽しんできました▼思いはただ一つ、「子どもたちの命を守ること」。おとなの本気度が問われています。


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