しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年4月28日(金)

沖縄米軍犯罪 昨年54件最多

今年は上回るペース きょう「屈辱の日」

直近10年検挙数

グラフ

 沖縄県内の米軍人・軍属とその家族による刑法犯の検挙件数が2022年、直近10年で最多(54件)になったことが県の資料で分かりました(グラフ)。さらに、県警統計によると、今年は3月末までで23件にのぼっており、22年を上回るペースです。28日は1952年のサンフランシスコ講和条約で沖縄が本土から切り離された「屈辱の日」。今なお、米軍による犯罪が県民を苦しめています。

 沖縄県の資料によると、22年までの10年間の検挙数は計362件で、うち殺人や強盗、強制性交などの凶悪犯は14件でした。

 16年には、同県うるま市で元海兵隊員による女性暴行殺人事件が発生。同年の検挙件数23件と比べても、22年は約2・35倍になっています。

後絶たぬ凶悪犯

 さらに、▽海軍兵が北谷町のアパートで住人の女性を刺殺(19年4月)▽同町で陸軍兵と空軍所属の軍属が外貨両替店で強盗(20年5月)▽うるま市で、飲酒した海兵隊員がタクシー運転手の首を絞めて現金を奪い、タクシーも強奪(20年11月)▽那覇市で、飲酒した海兵隊員が女性を強制わいせつ(21年1月)▽本島中部で軍属が強制性交等未遂(21年4月)▽海兵隊員が強制性交等致傷(21年10月)―などの凶悪事件が起きています。

 相次ぐ事件・事故に、沖縄県や県議会などは「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキングチーム(CWT)」の開催を日米両政府に求めていますが、CWTは17年4月を最後に開催されていません。

本土でも相次ぐ

 本土でも、米軍関係者による犯罪が相次いでいます。

 神奈川県では昨年、▽一時寄港した米原子力空母エイブラハム・リンカーンの乗組員が横浜市の路上で日本人3人に暴行(5月)▽横須賀基地所属の海軍兵が逗子市路上で男女4人を突き飛ばし、重軽傷を負わせる(7月)―など、凶悪事件が続けて発生しました。

 岩国市では今月、岩国基地所属の海兵隊員が路上にエンジンをかけたまま駐車されていた乗用車を盗んで現行犯逮捕されました。昨年12月には海兵隊員が車を盗んだ上、飲酒運転で追突事故を起こし2人に軽傷を負わせ、車を放置して基地内に逃走。今年2月には軍属が飲酒運転で現行犯逮捕されています。

写真

(写真)「米兵犯罪を許さない! 市民集会」で「怒」と書いた紙を掲げて訴える参加者=2月19日、山口県岩国市

米軍優先の政治

 こうした事件・事故の背景にあるのは、米軍の特権を定めた日米地位協定です。17条は、米軍人・軍属の「公務中」の犯罪は第1次裁判権が米側にあると定めています。「公務外」では第1次裁判権は日本側にあるとされますが、容疑者が基地内に逃げ込むなどして米側が先に身柄を確保すれば原則として日本側が起訴するまで身柄が引き渡されません。

 さらに、岸田政権をはじめとした歴代自公政権が米軍を「抑止力」として絶対視し、事実上、事件・事故を免罪してきたことがあげられます。国民の安全より米軍を優先させる政治を転換させることが求められます。


pageup