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2023年4月28日(金)

きょうの潮流

 ずいぶん増えたな。選挙中、ビラを配っていて感じました。空き地や空き家が。都心から電車で1時間ほどの地域。朽ちていく家屋、荒れ放題の庭があたりのさびれた印象をいっそう際立たせていました▼わが町だけのことではないでしょう。政府の発表によれば、空き家は全国に850万戸以上あり、間もなく1千万戸に達するそうです。所有者が不明の土地はすでに九州の広さを上回り、数年後には北海道と同じぐらいの面積になると▼問題の背景には行き当たりばったりの国の都市政策や住宅政策が、大本には人口減少があります。日本の総人口は明治維新から終戦をはさんで右肩上がりに急増し、ピークとなった2008年までの140年間で9400万人も増加しました▼しかし1億2808万人を数えた08年以降は一転して右肩下がりに。26日に公表された厚労省の推計では33年後に1億人を割り、およそ半世紀後には現状の3割減となる8700万人まで落ち込みます▼人口減少時代を迎えたいま、空き地・空き家問題をはじめ、国のかたちが見直されるときです。『土地は誰のものか』の著者で都市政策学者の五十嵐敬喜氏は、土地は個人や国家のものではなく、公的なものだといいます。そして「土地の共同利用こそ、今後求められる真の土地所有のあり方ではないか」と▼進む少子高齢化や過疎化。縮んでいく国の姿。軍拡などにかまけてないで、将来をみすえ、早急に対策を打っていくことが政治の果たすべき役割のはずです。


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