しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年4月26日(水)

マイナンバー法等改定案

塩川議員の反対討論

衆院特別委

 日本共産党の塩川鉄也議員が25日の衆院地域・こども・デジタル特別委員会で行った、「マイナンバー法等改定案」の採決に対する反対討論の要旨は以下の通りです。


 連日、多くの方々が、「健康保険証廃止やめよ」と、反対の声をあげています。資格を有することを示す保険証を被保険者に届けることは、国・保険者の責務です。マイナ保険証も本案の「資格確認書」も、本人からの申請に応じた交付です。保険証を廃止して申請交付とすることは、国・保険者の責任放棄であり、国民皆保険制度を揺るがすもので認められません。

 そもそも、マイナンバーカードの取得は義務ではありません。保険証を“人質”にマイナンバーカードの取得・利用を強要することは許されません。医療関係者らの危惧を無視して、マイナ保険証利用を強引に進めることはあってはなりません。マイナ保険証利用の押し付け、保険証の廃止は撤回すべきです。

 そもそも、マイナンバー制度は、プライバシー侵害のリスクが避けられないものです。それゆえ、現行制度は、社会保障・税・災害対策の3分野に限定して使用し、利用する事務・情報連携も法律で規定し、マイナンバーを含む個人情報の収集・保管は本人同意があっても禁止としています。

 これを、3分野に限定せず全ての行政分野においてマイナンバー利用を推進し、さらに法定事務に「準ずる事務」や条例で措置した自治体事務は法定することなく利用できるとしています。また、マイナンバーの情報連携は、法定から外して国会審議もなしに拡大できるようにしています。

 現行制度で厳格な縛りを設けたのは、国民総背番号制導入やプライバシー侵害に対して国民の批判があったためです。国民の不安に答えようともせず、マイナンバー制度の仕組みを大きく変え、プライバシー侵害の危険性を一層高めるもので認められません。

 マイナカード普及のために「直接交付」の原則など、安全確保策を後退させています。本末転倒です。さらに、年金受給口座を手始めに、本人から「不同意」の回答がなければ、自動的にマイナンバーとひもづける特例を盛り込んでいます。これでは、制度に対する国民の不信は一層高まります。

 最後に、デジタル化の推進のために盛り込んだ、戸籍等の「氏名の振り仮名」の問題です。氏名は個人の人格を象徴するものであり、その読み方は尊重されなければなりません。本案により、今後生まれてくる子の名は、行政が「一般的な読み方」であるかどうか審査を行うことになります。命名権の侵害にあたりかねず、認められません。


pageup