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2023年4月24日(月)

旧日本軍 人体実験 検証・謝罪を

「戦争と医の倫理」 会がシンポ

 医学者、医師、歯科医師らでつくる「戦争と医の倫理」の検証を進める会は23日、東京都渋谷区でシンポジウムを開き、会場とオンラインで110人が参加しました。

 スヴェン・サーラ上智大教授が「歴史修正主義から『ポスト真実』の時代へ」と題して基調講演しました。ドイツではナチスによるユダヤ人大量虐殺・ホロコーストを否定する右派政党が議席を獲得していることを紹介。「歴史学の科学性で歴史修正主義の非科学性を証明すること」が大事と話しました。

 倉沢愛子慶応大学名誉教授は「ワクチン開発と戦争犯罪」をテーマに、1944年8月、日本占領下のインドネシア・ジャカルタの収容所で、破傷風ワクチンを接種した日本軍に従事した労働者たち「ロームシャ」が、破傷風で多数死亡した事件を報告しました。

 倉沢氏は、この事件には日本陸軍の特殊部隊で生物戦や化学戦のために人体実験を繰り返した731部隊と関連する南方軍防疫給水部が関与したと指摘。破傷風ワクチンの人体実験だったことを突き止め、日本陸軍の謀略を告発しました。

 吉中丈志京都保健会理事長・京都大学医学部臨床教授が「731部隊と日本医学会 『未来への提言』を踏まえて」と題して報告。731部隊について二つの課題があると説明。(1)非人道的な人体実験の実態把握と謝罪をすること(2)戦後長く隠ぺいして知らん顔してきたことに対する検証や謝罪が必要だと話しました。

 同会は2009年設立。第2次世界大戦中の医学者・医師の非人道的行為と真摯(しんし)に向き合い教訓を生かそうとシンポジウムなどの活動をしてきました。


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