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2023年4月24日(月)

きょうの潮流

 屈託のない笑顔を見せる秋山大輝くん。長崎県諫早市在住の17歳、高校3年生になりました▼5年前、長崎放送のディレクター宮路りかさんが取材で初めて自宅を訪れました。大輝くんはあおむけになったまま、両足で床を押して背中を滑らせ、いざって玄関に現れ出迎えてくれました▼骨形成不全症という難病でした。骨が折れやすく変形も起こる病気。幼いころはくしゃみで骨折。50回以上も骨折を体験してきました。一人では座ることも歩くこともできませんでした。小学3年まではバギーで寝たきり。いつも空を見ていたから「将来の夢は気象予報士」▼12歳のとき、電動車いすに一人ですわれるように。16歳で歩行器を使って歩けるようになって、足が床や地面に着く感動を味わいます。少々、おとなびた口調。現在、地元のFM局で番組のパーソナリティーにも。目指すのはアナウンサーに変わります。「体がちょっとだけ不自由な分、口だけは達者なんで」▼天性の楽天家に見えますが、人一倍の努力家でもあります。一人でトイレができるようにとトレーニングも続けてきました。いつも明るく接してくれた両親、妹は頼もしい支援者です。4人で囲む食卓はにぎやか、ぬくもりが詰まっています▼宮路さんは大輝くんを追ってこれまでに5本のドキュメンタリーを制作。「大輝、15の春」は英語版にも。その日本語版はユーチューブで見られます。「幸せのカタチはさまざま。幸せは日常の中にある」。宮路さんがたどりついた境地です。


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