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2023年4月23日(日)

神宮の森 犠牲にしない

坂本龍一さんの遺志継ぐ

東京 アーティストらがデモ

写真

(写真)神宮外苑の緑を乱開発から守れとアーティストらが音楽演奏とスピーチで訴えた集い=22日、東京都新宿区

 亡くなった音楽家の坂本龍一さんの遺志を継いだアーティストらが22日、明治神宮外苑(東京都新宿区、港区)で再開発反対のデモを行いました。「目の前の利益のために、神宮の森を犠牲にしないで」と声を上げ、音楽を奏でました。

 デモを呼びかけたのは、坂本さんが生前に共同主宰を務めていた社会問題を考える団体「D2021」。ツイッターで「坂本さんの死をもって集まることに、抵抗がないといえば嘘(うそ)になります。でも何もしないで終わることを彼が望まないことも知っています」と呼びかけました。

 中央ステージには坂本さんのモノクロの写真が掲げられ、沿道には色とりどりの花が並びました。ミュージシャンの後藤正文さんは「有名・無名の隔たりのない『みんな』で課題を引き受けなければ、社会が変わっていくことは決してない」との声明を読み上げました。

 ミュージシャンの篠田ミルさんは「本当はみんなで決めることを一部の誰かが勝手に決めることが当たり前になっている。ここ(神宮外苑再開発)を止めれば、他のことも止められる」と発言。「戦場のメリークリスマス」など坂本さんの楽曲を演奏しました。

 計画見直しを求める署名活動をしている学生団体「Amamo」代表の夏花さんは、1万人以上の署名が集まったことにふれ「声を上げれば社会は必ず、少しずつでも変わっていく」。アクティビストのeriさんは「一人ひとりの声が社会をつくり、動かしていく」と語りました。作家のいとうせいこうさんがメッセージを寄せました。

 坂本さんは亡くなる1カ月前、都知事らに手紙を出し、「目の前の経済的利益のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」「開発によって恩恵を得るのは一握りの富裕層にしかすぎません」と、再開発見直しを求めていました。

 再開発は、三井不動産などが事業者で、神宮球場と秩父宮ラグビー場を移転し、超高層ビルを建設するもの。新宿区内だけで約3000本の樹木を伐採する計画です。


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