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2023年4月20日(木)

「富裕層 課税強化を」

不公平な税制 格差を拡大

米国の資産家ら提言

 【ワシントン=島田峰隆】米国の資産家や富裕層でつくる団体「愛国的な百万長者」は同国の確定申告締め切り日の18日、富裕層への課税を大幅に強めるよう連邦議会に要請する提言書を発表しました。不公平な税制が経済格差の原因だと指摘し、「富の集中が持続不可能なところまで来ている」と強調しました。


 同団体のモリス・パール議長は「確定申告締め切り日は超富裕層が税制面で全く別世界にいることを想起する日だ」「われわれ富裕層にとっては税の抜け穴はますます大きく、税率はますます低くなっている」と指摘。「税制を変えないと米国の経済と民主主義は生き残れない。富裕層への課税が必要だ」と述べました。

 提言書は、米国の経済格差は過去100年でもっとも深刻だと懸念を表明。過去50年近く、富裕層が潤えば成長が刺激されて恩恵がしたたり落ちるという「トリクルダウン」理論が喧伝(けんでん)されてきたものの「実際はそうはならなかった。富裕層減税は格差を広げた」と批判しました。

 具体的な解決策として、累進課税を強めて年収1億ドル(約134億円)以上の高額所得層には90%の最高税率を設定し、貧困層には税控除を充実させることを提案しています。資産規模に応じた2~8%の富裕税の導入も要求しています。

 提言書は「この計画はお金持ちに反対するものではない」と指摘。税制を正すことで「何十年も失われてきた経済と民主主義の活力を取り戻すことができる」とし、「米国の民主的な資本主義」を守るよう呼び掛けています。


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