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2023年4月18日(火)

自公政権の病床削減計画

急性期さらに17万床狙う

地域医療守る共産党大きく

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 病気やけがで緊急の治療が必要な患者に対応する高度急性期・急性期病床が2015~21年度に約6万1千床も減少しています。自公政権が「地域医療構想」の名で自治体に病床削減を迫ったからです。今後も25年度までに両病床をさらに17万床減らすのが政府の計画です。悪政の「防波堤」として地域医療を守る日本共産党の議席を大きくすることが求められています。

 「地域医療構想」は、病床を機能ごとに「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の四つに分類。このうち職員配置が手厚い高度急性期・急性期病床を15年度から25年度までに23万床減らす目標をかかげ、自治体に病床削減を求めています。狙いは国の社会保障費の削減です。

 仮に計画が実行されれば、宮崎県では高度急性期・急性期病床が21年度の8442床から25年度は4360床に半減。同県を含め29県で3割超、41道県で2割超の両病床が削減されます。

 日本は、人口あたりの医師数が世界でも低水準にとどまるなど、もともと医療提供体制が不足している国です。そのもろさが一気に露呈したのが20年以来の新型コロナ危機でした。新型コロナの入院患者への対応には通常の3倍の人員が必要とされます。急性期病床が受け皿となりましたが、各地で人員の不足と病床体制の逼迫(ひっぱく)が起こり、医療崩壊を招く事態となりました。

 ところが、自公政権は、コロナで問題となったのは「医療資源の分散」だったと強弁。病床の統合・再編が必要だとし、病床を減らした医療機関に消費税収を財源に補助金を出す仕組みまで整備して、削減の計画にしがみついています。

 「地域医療構想」をめぐっては、武田俊彦元厚労省医政局長も、病床削減を一方的に進めたことへの「反省」を表明しています。武田氏は、コロナにより「医療提供体制はある程度余裕をもった形でないと有事に備えられない」ことが明らかになったとし、同構想の「軌道修正」を提言(第一生命財団『ザ・コミュニティ』2020年11月号)しています。

 強引な病床削減には各地で住民から激しい批判が起こり、日本共産党議員も論戦を行うなか、実際の削減計画の達成率は高度急性期で6割弱、急性期で3割にとどまっています。

 コロナの教訓を踏まえ、破綻が明らかな病床削減計画を撤回させ、医療体制の強化へと転換させることが求められています。


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