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2023年4月16日(日)

本人同意の形骸化に

医療ビッグデータ法案 塩川氏が反対

衆院内閣委可決

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(写真)質問する塩川鉄也議員=12日、衆院内閣委

 衆院内閣委員会は12日、医療ビッグデータ法案(次世代医療基盤法改定案)を賛成多数で可決しました。日本共産党、れいわ新選組は反対しました。

 改定案は、本人の同意が本来必要な医療情報の第三者提供を、認定事業者相手に限り本人への通知のみで済ませるようにします。日本共産党の塩川鉄也議員は「本人同意の形骸化につながる」と指摘。実際に2022年には認定事業者が通知なく9万5195人分の医療情報を提供した問題が起きています。

 改定案は、ほかの情報と合わせることで復元可能な「仮名加工医療情報」や、公的データベースとの連絡を可能とする「連結可能匿名加工医療情報」を創設します。塩川氏は、個人特定のリスクが高まると批判。高市早苗科学技術政策担当相は、個人の権利、利益が侵害されることを防ぐ仕組みになっていると強弁しました。

 改定案はさらに、医療機関や自治体など医療情報を取り扱うすべての者に、国の施策への協力を求める努力規定も盛り込みます。改定案が検討されたワーキンググループでは、事業者の委員が「病院の協力を得るのが非常に大きな足かせ」「任意というよりほぼ義務化を」などと、事業者の都合を優先させた発言をしています。

 塩川氏は「医療情報提供への圧力をかける規定になる」と指摘し、医療情報の保護より利活用優先、企業利益を優先するあり方を批判しました。


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