2023年4月16日(日)
GX推進法案
岩渕議員の質問(要旨)
参院本会議
日本共産党の岩渕友議員が14日、参院本会議で行った原発回帰と石炭火力延命を含む「GX(グリーントランスフォーメーション)実現のための基本方針」を具体化する「GX推進法案」についての質問の要旨は次の通りです。
パリ協定が掲げた1・5度目標を達成するには、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が発表した第6次報告書では、CO2の排出量を2019年比で35年までに60%、50年に84%削減することが必要だと明示しており、一刻の猶予もありません。日本の削減目標はあまりにも不十分です。少なくとも、30年に60%まで削減目標を引き上げるべきではありませんか。
G7(主要7カ国)で石炭火力発電の廃止期限を明らかにしていないのは日本だけです。今年のG7議長国の日本が、石炭火力発電の廃止期限も決めず世界の足を引っ張ってはなりません。
「GX実現のための基本方針」は、原発の最大限活用、60年を超える運転、新増設を進めるとしています。東京電力福島第1原発事故の反省も教訓も忘れた暴走であり、新たな安全神話に他なりません。原子力利用にかかる基本理念や原則などを定める原子力基本法を、「原発推進基本法」に変質させるものではありませんか。
同基本方針では、水素・アンモニアを「火力発電からCO2排出量を削減していくなど、カーボンニュートラルの実現に向けたトランジション(移行)を支える役割」と位置付け、化石燃料との混焼発電にも投資するとしています。結局原子力と石炭火力を延命し、CO2の排出削減にもならない見せかけの環境投資そのものではありませんか。
本法案は、「成長志向型カーボンプライシング」を導入し、化石燃料の輸入事業者に課す賦課金と、発電事業者から徴収する負担金で償還するとしています。本格導入するのは30年代で、その内容は企業の自主性に任されており、排出量上限もありません。石油連盟の会長が「大した負担にならない」と発言しているように、排出削減の効果は到底期待できません。一定基準以上の事業所に制度への参加を義務付けるべきではないでしょうか。
国際的な研究報告は、原子力に熱心な国は再エネ導入量が少ないとして、原子力発電と再エネの利用は、相互に排除し合う傾向があると結論づけています。省エネを思い切ってすすめ、100%国産の再生可能エネルギーへの速やかな転換こそ、エネルギー安定供給、脱炭素、経済発展につながります。








