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2023年4月16日(日)

なんだっけ

障害者65歳問題って?

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(写真)支援者らと障害者の65歳問題を訴える天海正克さん=3月24日、東京都内

 Q 「障害者の65歳問題」ってどういう問題?

 A 障害福祉サービスを利用中の障害者が65歳になると、介護保険サービスを使うよう自治体から要請されます。長年、障害福祉サービスを使ってきた人が介護保険サービスに変更させられると、暮らしぶりが大きく変わってしまいます。

 Q 障害福祉サービスと介護保険サービスでは何が違うの?

 A 制度の目的が異なります。障害福祉サービスの目的は、障害者の生活全般を保障することです。障害者権利条約を批准し、政府には障害のない人と平等の暮らしを実現する義務があります。一方、介護保険サービスは要介護状態の高齢者の日常生活を支援します。

 利用料負担も異なります。住民税非課税世帯の場合、障害福祉サービスの利用料は無料。介護保険を使うと、数カ月後に払い戻されるものの月1万5000円の利用料負担が発生します。障害者団体「きょうされん」の調査によると、障害者の81・6%は年収122万円以下です。利用料負担は厳しい障害者の暮らしをさらに圧迫します。

 Q なんで介護保険サービスに変更させられるの?

 A 障害者総合支援法7条が根拠になっています。他制度によるサービス給付との二重給付を避けるための規定です。厚生労働省は、介護保険給付を優先するとしつつ、自治体には個々の状況に応じた支給決定を求めています。

 障害者らは運動の中で、一律に介護保険サービスに変更させるのではなく、本人が制度を選択できるよう求めています。

 (2023・4・16)


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