2023年4月15日(土)
きょうの潮流
わたしたちの暮らしに大きく影響する選挙。福祉を使い生活を送る障害者にとって、“近くて遠い”存在です▼目が見えず耳が聞こえない人が、投票所で通訳・介助者の同行を認められなかった。自閉症と重度の知的障害のある息子と期日前投票に行ったところ、息子の意思確認のやり方を投票所職員に理解してもらうのに時間がかかり、息子がパニックになり投票できなかった…▼障害者の参政権をめぐっては裁判も。肢体障害4級の女性が郵便投票を希望するも対象が等級1~2級のため認められず、投票する権利を奪われたとして国を訴えました。岡山地裁は1月、女性の訴えを棄却▼車いすを使う自閉症の娘に代わって投票した大阪市の母親は、公選法違反で有罪判決を受けました。障害の特性が伝わらない間に職員が娘の意思確認をはじめたため、母親は娘がパニックに陥るのではとの焦りから、白票のまま娘の投票用紙を投票箱に入れてしまいました▼知的障害のある人たちが安心して投票できるようにと編んだ「障害をもつ人の参政権保障連絡会」のしおりが好評です。18歳になったばかりの知的障害の息子と選挙に行くか迷ったけど、親ができること、本人ががんばることを事前に知ることができて投票できた。代理投票時に、投票先として公報の切り抜きを渡し、確認されたときにうなずいて無事、投票できた▼あすから統一地方選の後半戦。安心して一票を投じられる投票所が必要です。だれにとっても身近な選挙になるように。








