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2023年4月13日(木)

チリ 週40時間労働へ

議会が法案可決 「生活の質向上に貢献」

 南米チリの下院は11日、労働時間の短縮を中心とした政府提案の労働法改正法案を賛成多数で可決しました。上院はすでに可決しており、ボリッチ大統領による署名を経て成立します。署名は5月1日のメーデーに合わせて行われる予定です。

 法案は、現行週45時間の法定労働時間を1年目、3年目、5年目にそれぞれ44時間、42時間、40時間へと段階的に短縮するもの。これにより直接の恩恵を受ける労働者は約470万人と報じられています。

 法案はまた、残業上限を現行の週12時間から5時間にする内容も盛り込んでいます。

 報道によると、中南米では多くの国で45時間以上の労働時間となっています。法改正により、チリはこの地域でエクアドル、ベネズエラに次いで3番目に週40時間制の国となります。

 週40時間労働は2017年にチリ共産党のカミラ・バジェホ下院議員(当時、現官房長官)が初めて議会に提出したものの、財界や右派政党の抵抗で法案審議が中断したままとなっていました。

 ボリッチ大統領は労働時間短縮を重点公約として掲げ、政権発足1年目の昨年8月、改めて政府案として法案を提出し、経営者らを含め全国200団体と対話・協議を行って、合意形成を進めてきました。

 現地からの報道によると11日、下院で圧倒的多数の賛成で法案が可決されると、出席していた労組や経営者団体の代表からも拍手が湧きおこりました。

 ボリッチ氏は、「何年にもわたって支持を集め、対話し、きょうついに労働時間短縮の法案の可決を祝うことができた」と表明しました。

 チリ共産党所属のジャネッテ・ハラ労働相は、労働時間の短縮により家族との時間、自分自身の時間が増えることを強調し、「私たちの生活の質の向上に大きく貢献するものだ」と述べました。

 バジェホ氏は、最初の法案提出から6年が経過したことを振り返り、目に涙を浮かべながら、「政治が、チリ国民の提起した課題に対応しうることが示された」と語りました。


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