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2023年4月11日(火)

袴田事件 検察、先延ばし要求

再審協議 弁護団、憤りの声

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(写真)協議後に会見する(左から)西嶋勝彦弁護団長、袴田ひで子さん、小川秀世事務局長=10日、静岡市葵区

 1966年に静岡市清水区(旧清水市)で起きた強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判に向けて10日、弁護団と静岡地検、静岡地裁との初の三者協議が同地裁でありました。検察は3カ月の先延ばしを要求し、1日も早い無罪判決を求める弁護団からは憤りの声が上がりました。

 協議は静岡地裁で非公開で行われました。弁護団によると検察は「主張や立証の方針、証拠の範囲について7月10日までに決めたい」と求めたといいます。

 えん罪である袴田事件をめぐっては、3月13日に東京高裁が重要証拠について「捜査機関の者による隠匿の可能性が極めて高い」として再審開始を認めました。同月20日に東京高検が特別抗告を断念し、再審開始が確定しました。

 協議後に記者会見した弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「全く予想外。われわれとしても非常に憤りを感じている。特別抗告を断念したということは、検察は有罪の立証を諦めたということ。なんのための猶予期間なのか腹立たしい」と語りました。

 巌さんの姉、袴田ひで子さん(90)は「ここまで来れば半年や1年どうってことない。先はみえている。私は安心しております」と笑顔で語りました。


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