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2023年4月9日(日)

きょうの潮流

 戦後70年余り、地方都市の商店街に構えてきた本屋が店をたたみました。アダルト雑誌やヘイト本のたぐいは一切置かず、郷土文化や社会科学にかんする本の普及にとりくんできました▼店売りだけでなく外販にも力を入れ、学校や役所をはじめ幅ひろく地域をまわっていました。知や情報の発信地として親しまれ、根づいてきた街の本屋。地域の発展に果たした役割は大きい▼いま、各地の市町村から書店が次つぎと消えています。出版文化産業振興財団の調査によると、地域に書店が一つもない自治体は全国で456もあり、26・2%にのぼります。「無書店自治体」の割合が最も高いのが沖縄で56・1%、長野や奈良も50%以上で続いています▼厳しい背景にあるのは、人口減少やネットの普及による売り上げの落ち込み。とくに雑誌やコミックの販売は急減しています。そのうえ日本では、書店を文化向上の大切な拠点とする観点から保護する政策はなきに等しい▼書店に限らず、それぞれの街や地域を支え、そこでくらしてきた人たちの「糧」がなくなっていく―。そんな疲弊した姿が地方からみえてきます。土台が崩れていくような危機。それを招いた重い責任は、地方を冷たく切り捨ててきた歴代の政権にあります▼安心して住みつづけられるまちづくりを進め、国の悪政の防波堤となって、地域を活性化し生活の足場を守る議員を選びたい。いま生きている場所から声をあげ、政治を社会を変えていくチャンスです。あなたの1票で。


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