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2023年4月8日(土)

新型インフルエンザ特措法改定案

井上議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の井上哲士議員が7日の参院本会議で行った新型インフルエンザ特措法改定案への質問の要旨は次の通りです。

 本法案は、次の感染症危機に備えて「内閣感染症危機管理統括庁」を設置しますが、内閣府に置かれた金融庁のような外局ではなく、行政ラインはコロナ室と同じように官房長官のもとにあります。庁の名前がついても実質的にコロナ室と変わりないのではありませんか。

 いま必要なことは、政府の取り組みについての徹底した検証と科学的知見に基づく対策の強化です。2022年のコロナ死亡者は3万8881人に達しました。感染が急拡大していたのに専門家の意見を聞くことなく、感染対策を緩和したことが感染者と死亡者の急増につながったのではないですか。重大なことは、高齢者施設で入院が必要にもかかわらず施設に留め置かれ、亡くなる方が多数生まれたことです。

 緊急時の対応には、平時の医療体制に余裕が必要なことがコロナ禍を通じて明らかになりました。にもかかわらず政府は「地域医療構想」の名で公立・公的病院の統廃合、急性期病床の削減を進め、消費税を財源とする補助金により3年間で8000床を超える病床削減を行いました。公立・公的病院の統廃合、病床削減を中止し、地域の医療体制を拡充に転換すべきです。

 政府は新型コロナウイルスの感染法上の扱いを、5月8日から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げると決めました。一方、現在は無料の検査や外来、入院時の費用に患者負担を求め、コロナ患者に対応する医療機関への財政支援は大半が縮小されます。

 公費医療の縮小が受診抑制や治療の中断につながり、感染の拡大や死亡者数の増大をもたらすのではありませんか。医療機関のコロナ対応をより困難にし、一般医療にも制限が生じることにつながる医療機関への支援の縮小は見直すべきです。

 新型インフル特措法は私権制限を行う法律です。しかし、私権制限の起点となる緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発動要件はあいまいな一方、休業要請などの経済的措置への補償がなく、多くの事業者が廃業を余儀なくされました。このように「補償」なき「自粛」が営業と暮らしに重大な問題をもたらしたことをどう認識していますか。

 「緊急事態宣言」「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の発動要件を法律に明記し、私権制限や自粛要請に対し正当な補償を行う規定を設けるよう求めます。


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