2023年4月8日(土)
きょうの潮流
新年度を迎え、真新しいスーツや制服を着た人たちの姿が目につきます。通勤や通学で電車を利用し始める人が多くなるなか、痴漢や盗撮への注意が呼びかけられています▼痴漢は重大な犯罪であり、個人の尊厳を踏みにじる行為で断じて許すことはできない―。政府が初めて「痴漢撲滅政策パッケージ」をまとめました。国会や地方議会で対策を求めてきた共産党議員や市民からの要望が実ったかたちです▼具体策のなかには痴漢防止や被害者を支えるとりくみとともに、加害者への再犯防止プログラムの実施が盛り込まれています。性的な犯罪や問題行動がやめられない人たちの「治療」は大きな課題です▼法務省のデータによれば、痴漢の再犯率は執行猶予者で3割以上、出所受刑者では5割超にも。盗撮とともに群を抜いて再犯率が高いのが特徴です。そうした性的依存症の「病」にむきあい、「処罰に加えて治療を」と主張する専門家も少なくありません▼「犯罪に対して罰を与えれば済むという時代は過去のものになりつつある。犯罪の予防、再犯の抑制のためには科学の力で闘うべき時代が到来している」。『痴漢外来』の著者で依存症の治療や研究にとりくむ原田隆之さんはいいます▼共産党都議団の調査でも、人権や性教育とともに加害者対策(再犯防止のための更生プログラム)が必要とした人が3割をこえました。被害者に寄り添う支援はもちろん、性犯罪をなくすためには、罪を犯した人たちにくり返させない。そんな社会へ。








