2023年4月7日(金)
衆院本会議 軍拡財源確保法案
田村貴昭議員の質問 要旨
日本共産党の田村貴昭議員が6日の衆院本会議で行った軍拡財源確保法案の質問要旨は以下の通りです。
本法案は、岸田政権が昨年閣議決定した安保3文書に基づき、今後5年間で総額43兆円もの大軍拡を推し進めるための新たな基金、「防衛力強化資金」を創設するものです。憲法の平和主義と財政民主主義をふみにじる違憲立法にほかなりません。
総理は昨年11月、27年度に軍事費をGDP比2%とするよう指示しました。研究開発、公共インフラ整備、サイバー安全保障、国際協力の4分野は5年間で何をどこまでやるのか、検討を進めるための仕組みも、まだ決まっていません。
にもかかわらず、どうして2%を指示できるのですか。総理が否定していた「数字ありき」の決着そのものではありませんか。米国の軍拡要求に応えることが2%の根拠なのではありませんか。
米国製兵器の購入額は、激増しています。23年度のFMS(有償軍事援助)は1兆4768億円で、前年度の4倍という破格の伸びになっています。5年間のFMSの総額は一体いくらになるのですか。「必要な防衛力を積み上げた」と言うのなら、総額と根拠を示すべきではありませんか。
米国製の長距離巡航ミサイル・トマホークを400発購入すると言いますが、すでに在日米軍は大量のトマホークを保有しています。どれだけ配備すれば、十分だと言うのですか。
もともと長距離ミサイルの配備を主張していたのは、米国です。米国の世界戦略と軍需産業のもうけのために、日本の予算でミサイルを買わせる。これが、事の真相ではありませんか。
大盤振る舞いは、FMSだけではありません。「自衛隊施設の強靱(きょうじん)化」と称して、全国283地区で、核攻撃にも耐えられる司令部の地下化などを進めようとしています。すべてが破壊しつくされた後に、生き残った司令部が何を守るのですか。あの地獄を二度と繰り返さないための外交こそ、総理がやるべきことではありませんか。
今回創設する「防衛力強化資金」には、国立病院機構の積立金422億円、地域医療機能推進機構(JCHO)の積立金324億円を「不要見込み」として国庫に返納させて繰り入れるとしています。JCHOは、積立金の額に残余があるときは、年金特別会計に納付することが法律に明記されています。年金財源を軍拡に流用するなど許されるはずがありません。
東日本大震災に対応するための復興特別所得税の軍拡財源への転用には、予算委員会でも批判の声が相次ぎました。被災者・国民を愚弄(ぐろう)するものであり、撤回すべきではありませんか。
岸田政権は、戦後初めて、軍拡財源のために建設公債4343億円を発行することを決めました。財政法第4条は、公債の発行を原則禁止しています。これは、かつて大量の公債を発行し、歯止めなき軍備増強で侵略戦争を遂行し、国の財政と国民生活を破綻させた痛苦の経験に基づくものです。軍拡財源のための公債発行は、歴史の教訓に真っ向から反するものです。