2023年4月5日(水)
英政府案「実質賃下げ」
イングランドの教職員組合
再びストを実施へ
物価高に見合う大幅賃上げを求めてストライキを実施してきた英イングランド地方の教職員組合(NEU)は3日、公立学校教師に対する政府の新たな賃上げ提案について組合員投票を行い、圧倒的多数が拒否したと発表しました。政府に対しよりよい提案を持って交渉に臨むよう求め、4月27日、5月2日に再度ストを実施するとしています。
政府は2022年9月から教員の平均給与を5%引き上げました。しかしNEUは、10%を超えるインフレの中で「1977年以来最大の実質賃下げ」だとして、大幅な上積みを要求。2月1日以来賃上げを求める数次のストを実施しました。
政府は1000ポンド(16万5300円)の一時金と、来年からの4・5%賃上げを提案しました。NEUはこれについて「2年連続の実質賃下げ」として、拒否すべきだとの立場で組合員投票を実施。その結果、投票権を持つ組合員の3分の2にあたる約19万6000人が投票し、98%が拒否でした。
英国では北アイルランド以外の教職員組合はすでに、大幅賃上げで妥結。ウェールズではストライキの結果、22~23年の3%上積み、1・5%相当の一時金、来年は予算措置をつけた5%の賃上げを勝ち取りました。
スコットランドでは長期のストを経て、24年1月からほとんどの教師に14・6%相当の賃上げを行うことで労使が合意しました。
NEUはイングランドについて、ウェールズやスコットランドよりも賃上げ幅が低いと批判。しかし保守党政権はこれ以上の交渉は行わないと強硬姿勢を崩していません。(伊藤寿庸)








