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2023年4月4日(火)

きょうの潮流

 電子楽器とコンピューターを操ったサウンド。YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の登場はテクノ・ポップと呼ばれる新たな領域を開きました▼はじめは機械がつくった音楽などと批判する向きも。そんななかで「すごく自由な世界」と話していたのが、メンバーの坂本龍一さんでした。楽器やジャンル、伝統や民族音楽。その垣根をこえて演奏することは快感であり、「歓(よろこ)び」であったと▼映画音楽をはじめ多様な作品をうみだし、近年は自然の音をとりいれることが増えていました。「人間は自然の一部。人がつくった楽器の音にこだわる必要がないんじゃないか」。そう考える大きなきっかけとなったのは東日本大震災でした▼3・11後、原発反対や国会前の集会に姿をみせるように。21世紀のキーワードは「共生」と語っていた音楽家は「フクシマのあとに声を発しないことは野蛮である」と、みずからの胸の内を積極的に示してきました▼共生から最も遠い戦争や核兵器、テロに対して「非戦」の信念を貫きました。人を殺すな、生き物を自分の利益のために殺すな、子どもたちの生きる権利を奪うな。本紙のインタビューでは「資本主義のあり方を根本的に見直さなければ人類の未来はない」とまで▼「こういう時代だからこそ、がんばってほしい」。自分の考えに近い政党だと、共産党の政策に共感を寄せてくれました。どんなくらし、どんな社会を望むのか―。思考し行動することの大切さを坂本さんは訴えていました。


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