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2023年4月1日(土)

きょうの潮流

 「新しい御本、新しい鞄(かばん)に。新しい葉つぱ、新しい枝に。新しいお日さま、新しい空に。新しい四月、うれしい四月。」▼金子みすゞの詩「四月」です。入学や進級、入社に新生活。うきうきわくわくのときめきを感じさせます。明治期の途中から年度替わりとなった4月。春の訪れとともに日常が変化することへの期待や不安が詩や歌に込められてきました▼きょうからはどうか。くらしを取り巻く状況は相変わらず厳しい。食料品の値上げは2月に続き5千品目をこえ、宅配便や車タイヤの価格も上昇。物価高はおさまる気配もなく、値上げラッシュの春に失望感さえ漂います▼光熱費の値上がりも生活を苦しめているなか、電力各社の不祥事が伝わってきました。電力の小売り自由化に伴い大手が談合し、公正な競争を制限したとして巨額の課徴金を。公取委は収益の確保や電気料金の引き下げを防ぐねらいがあったとみています▼ときめくどころか、閉そく感や停滞感が覆う社会。人びとが心の底に抱く変化への渇望をぶつけられる場が、いま各地でたたかわれている選挙では。政治を変え、経済を変え、くらしを変える―。希望へのわきたつ思いを託した、それぞれの投票が新たな世界を開いていきます▼今年は金子みすゞの生誕120年にあたります。「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい」と詠んだみすゞは、小さきものや名もなきものにやさしい目をむけてきました。めぐる季節に、万人の幸せをねがいながら。


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