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2023年3月31日(金)

トマホーク1発分で保育所2カ所

予算 大軍拡より暮らしに

図

 岸田文雄政権は、28日に成立した2023年度予算に約6・8兆円という異常な軍事費を盛り込みました。空前の大軍拡の一方、首相が掲げる「子ども予算倍増」は具体的な内容や時期を示さず迷走。市民からは「軍拡より生活に税金を使え」との声が広がっています。仮に軍拡分の予算を生活予算に充てれば、何ができるのか見てみました。

目玉は攻撃兵器

 大軍拡の目玉となるのが、違憲の敵基地攻撃兵器です。防衛省は米国製の長距離巡航ミサイル・トマホークの購入費として2113億円を計上。計400発購入する予定で、単純計算で1発あたり約5億2800万円に上ります。

 例えば、90人規模の保育所の建設費は、約2億5650万円です。トマホーク1発分で90人規模の保育所を2カ所造ることが可能です。また、トマホーク3発分なら120人規模の特別養護老人ホームを1カ所建設できます。

 岸田政権は23年度から27年度までの5年間で43兆円の軍事費(防衛省予算)を狙っています。従来(前「中期防衛力整備計画」)と比べると、5年間で約17兆円もの大軍拡になります。

 「5年間で17兆円」は、どんな規模か、教育や子育てに振り向ければ何ができるのか。本紙の試算によると、小・中学校の給食費無償化は約2・2兆円、18歳までの子ども医療費無償化は約2・5兆円で5年間実施できます。5年間の0~2歳の幼児教育無償化(現行制度で対象外の住民税課税世帯を対象)は、約2・4兆円です。また、大学と大学院の学費の無償化は、約16・5兆円で5年間実現できます。

グラフ

地方選で審判を

 自公政権は長年、軍事費を増やす一方で教育予算などを削減し続けてきました(グラフ)。その結果、GDP(国内総生産)比での教育への公的支出は、経済協力開発機構(OECD)加盟国中、下から2番目の低さに。一方、軍事費2倍化が実現すれば、世界第3位の軍事大国になります。

 こうした「軍事栄えて民滅ぶ」政治を改めるため、統一地方選での審判が重要です。

軍事費「5年間で17兆円」あれば何ができるか

小・中学校の給食費無償化

約2.2兆円

18歳までの医療費の無償化

約2.5兆円

0~2歳の幼児教育の無償化※2

約2.4兆円

大学・大学院の学費無償化※3

約16.5兆円

※ いずれも5年間実施する場合の金額

※2 現行制度で対象外の住民税課税世帯を対象とした場合

※3 入学金、授業料、施設整備費などの総額


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