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2023年3月29日(水)

強制集団死 犠牲者悼む

沖縄・渡嘉敷村で「慰霊祭」

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(写真)犠牲者を悼み、手を合わせる遺族や村民ら=28日、沖縄県渡嘉敷村

 太平洋戦争末期の沖縄戦の際、同県渡嘉敷(とかしき)村で、日本軍の命令・強制・誘導によって家族や隣人同士が殺し合う「集団自決」(強制集団死)が起きてから78年となった28日、同村で「慰霊祭」が行われました。新型コロナウイルスの影響で中止が続いていましたが、4年ぶりの開催となりました。

 1945年3月26日、米軍は座間味(ざまみ)村の島々に最初に上陸。翌27日に渡嘉敷島にも上陸して、地上戦が始まりました。渡嘉敷の住民は逃げ場を失い、日本軍の命令で島北部の北山(にしやま)に集められ、28日、強制集団死が起きました。手りゅう弾や鎌、カミソリなどを使ったり、縄で首を絞めたりして命を断ち、300人以上が亡くなったといいます。

 「慰霊祭」では、遺族や村民らが犠牲者の名前が刻まれている「白玉之塔」を訪れ、花を供えたり手を合わせたりして犠牲者を悼み、平和を願いました。

 渡嘉敷小中学校と阿波連(あはれん)小学校の児童・生徒らが、平和が続くようにと作った千羽鶴を手向け、「平和とはみんなが笑顔でいること。平和とはみんなが自由にいることです」と口々に語りました。

 5歳のとき強制集団死の場にいて生きのびた男性(82)は「軍命で住民を1カ所に集めたことが問題だった」と振り返りました。平和に向けて軍事費増額よりも対話が必要だと訴え「国同士お互い信用し助け合ってやってもらうことが望みだ」と話しました。


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