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2023年3月25日(土)

中絶薬承認 先送り

厚労省 「パブコメ整理に時間」

 人工妊娠中絶のための飲み薬をめぐり、厚生労働省は24日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会で、予定していた承認可否の審議を取りやめ、結論を次回以降に先送りしました。2月に行った意見公募(パブリックコメント)に約1万2千件の意見が寄せられ、「分析や対応の整理に時間を要している」としています。

 同省が先送りを分科会で報告し、出席委員から異論は出ませんでした。今後の日程は未定です。同省担当者は分科会後、記者団にパブコメでの賛成・反対の割合はおおむね「2対1」だったと明らかにしました。

 審議予定だったのは、英製薬会社が申請した「メフィーゴパック」。妊娠継続に必要な黄体ホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」と、子宮を収縮させる「ミソプロストール」を組み合わせて使います。1月末に分科会の下部組織の医薬品第一部会が承認を了承。安全性や有効性に関し異論はなかったものの、厚労省が「慎重な審議が必要」だとしてパブコメ実施と分科会での再審議を打ち出していました。

 中絶薬は、世界保健機関(WHO)が安全な手法として推奨。国連が基本的人権とする「安全な中絶」を受ける権利を保障するうえで重要な役割を果たしています。日本では初期中絶の場合、WHOが「安全性に劣る」とする掻爬(そうは)法による手術が今も主流。より体への負担が少なく、安全な中絶薬の実用化を求める声が高まっています。


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