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2023年3月20日(月)

きょうの潮流

 トルコ南東の山岳地帯から始まりイラクを横断しペルシャ湾へ流れるチグリス・ユーフラテス川。文明のゆりかごの中心地、チグリス川のほとりに位置するのがイラクの首都バグダッドです▼20年前のきょう、米軍による首都への空爆で始まった戦争。大量破壊兵器保有をでっちあげ侵攻した米ブッシュ政権は、フセイン政権を崩壊させ全土を占領。その後の混乱がいまも同国に大きな爪痕を残します▼「バグダッドが燃えている」と題し、当時、イラクの若い女性がリバーベンドの名で書いたブログ(ネット上の日記)があります。占領者とその操り人形への軽蔑と怒りをこめて▼突然に日常を奪われた庶民の様子が、イラクを“解放した”とうそぶく占領の実態を暴きました。各国で書籍化され、日本でも女性たちが翻訳し『バグダッド・バーニング』に。戦争前はコンピュータープログラマーだった著者。治安悪化と経済混乱で女性たちは追い詰められていきました▼「心を癒やし、魂を再生させるチグリス・ユーフラテスの胸元で友と会える日まで」と書き始めたブログの最後の更新は2013年。近隣のアラブ諸国に逃れ、いつ普通に暮らせるようになるのか「悲観主義者でさえ答えがない」絶望をつづりました▼イラクの民間人犠牲者は27万~30万人と推計(米ブラウン大学)されています。その周りには、暮らしと故郷を奪われた膨大な数の人々。戦争は自然災害ではない。イラクの人々の苦境に責任を負っているのは米国の為政者です。


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