2023年3月19日(日)
酪農危機打開へのろし
JA北海道集会 国は責任果たせ
紙議員あいさつ
![]() (写真)危機突破へ「頑張ろう」と声を上げる集会参加者=18日、札幌市 |
JA北海道グループは18日、「酪農・畜産危機突破緊急集会」を札幌市で開きました。過去最高値まで急騰した配合飼料価格、新型コロナ禍の下で農産物の在庫増加・価格低迷が直撃する中、政府が経営維持へ責任を果たすよう求め、会場・オンラインで約2000人が参加しました。
JA北海道中央会の小野寺俊幸会長は、危機打開へ「北海道からのろしを上げよう」と呼びかけました。
道内各地の農協組合長らが危機の実態を次々に報告。「離農が加速し、地域に人がいなくなり、商店、学校、病院もなくなる。すでに猶予はない。何といっても国の支援、力なくしては太刀打ちできない」「1年間に7千頭の牛を淘汰(とうた)している。一日も早く生産抑制を終わらせ、安心して牛乳をしぼれる環境にして」と訴え、何度も大きな拍手が鳴り響きました。
与野党国会議員が出席し、日本共産党から農林・漁民局長の紙智子参院議員があいさつ。紙氏は、政府の対策も不十分で、大手乳業メーカーが内部留保を増やしていることなどを挙げ、「酪農家が離農、廃業の瀬戸際に立たされる中、これでいいのか。北海道から畜産・酪農の灯を消してはいけない」と訴えました。
集会決議では「酪農畜産の衰退は地域経済・地域コミュニティーの衰退に直結し、国の食料安全保障に影響する」とし、政府に「経営維持に向けた万全な対策」を求めました。