2023年3月18日(土)
放送法の解釈変更問題
赤嶺議員の発言(要旨)
衆院憲法審
日本共産党の赤嶺政賢議員が16日の衆院憲法審査会で行った発言要旨は次の通りです。
安倍晋三政権下での放送法の解釈変更が問題になっています。放送法は、政府による放送内容への干渉を一切認めていません。それは、戦前に放送が政府と一体化し、戦争へと進む要因となった深い反省によるものです。
この教訓から、日本国憲法21条は「言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定め、そのもとで、放送行政を「憲法に即応させる」ためにつくられたのが放送法です。
放送法第1条は、放送の「不偏不党」「真実」「自律」を国が放送局に保障し、「放送による表現の自由」を確保することを宣言し、放送が「健全な民主主義の発達に資する」ことを放送法の目的と定め、第3条は「番組編集の自由」の保障を明記しています。これは、時の政権による干渉を排除し、権力からの自由と自律を保障するものです。この原則のもとで、第4条は、放送事業者が自ら規律する準則として「政治的公平」などを定めたものです。
放送法立法時、政府は「放送による表現の自由を根本原則として、政府は放送番組に対する検閲、監督等は一切行わない。放送番組の編集は、放送事業者の自律に任されてある」と明確にしています。1条、3条は制定以来、一度も改正されていません。政府の放送番組への介入は到底認められません。
ところが、歴代の自民党政権は放送法の趣旨をねじ曲げ、放送番組に干渉しました。2015年に安倍政権が解釈を変えて、「一つの番組のみでも政治的公平性が確保されているとは認められない場合がある」とし、「電波停止もあり得る」との見解を明らかにしました。これは、憲法が保障する放送による表現の自由を侵害するものです。
放送法の解釈変更は、安保法制や改憲策動と軌を一にし、14年7月、「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定、15年に安保法制を強行し、首相自ら改憲議論を主導しました。
重大なことは、岸田首相が、安倍政権下の政治的圧力によって変更した解釈を踏襲していることです。大軍拡や政権を批判する放送や報道を萎縮させ、憲法違反の敵基地攻撃能力の保有に踏み出そうとしています。
いま、国会に求められているのは、放送の自由に対する侵害の真相を全面的に明らかにし、放送による表現の自由を取り戻すことです。








