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2023年3月16日(木)

PFASの飲料水濃度規制値

米で大幅な強化案

日本適用なら基準超え続出

 米環境保護庁(EPA)は14日、健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)について、法的強制力を伴う飲料水の規制値案を公表しました。PFASのうち6種類の物質が対象で、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)について現行の勧告値の10分の1レベルの厳しい値としました。意見募集や公聴会を経て、年内に最終決定する予定。

 同庁は、飲料水の健康勧告値としてPFOS・PFOAの合計で1リットル当たり70ナノグラムと定めています(1ナノグラムは10億分の1グラム)。今回、両物質をそれぞれ同4ナノグラムと大幅に厳しい規制値を設定しました。PFNA、PFHxS、PFBS、HFPO―DA(通称GenX)については混合物として評価します。

 正式に決まれば、公共用水についてこれらのPFASを監視し、濃度を公表しなければなりません。基準を超えた場合は飲料水への対策が求められます。

 EPAは、実施されれば、数千人の死亡、数万人の深刻な病気を防げるとしています。

 日本では、暫定目標値としてPFOS・PFOAの合計を同50ナノグラムとしています。環境省調査(21年度)では31都道府県1133の測定地点のうち13都府県の81地点で目標値を超えました。

 このときの調査結果について、米国の規制値案を超えているかを調べたところ、PFOS・PFOAを別々に測定した929地点のうち、少なくとも450地点で基準を超えていました。奈良では19地点すべてで、大阪では76地点のうち71地点で、茨城では23地点のうち18地点で、東京では97地点のうち70地点で超えていました。


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