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2023年3月15日(水)

検察は特別抗告するな

袴田さん再審決定 姉、涙の訴え

報告集会

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(写真)弁護団と再審開始決定について報告した袴田ひで子さん(左から2人目)=14日、参院議員会館

 57年前の強盗殺人事件で死刑判決が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求差し戻し審で、東京高裁が再審開始を認める決定を出したことをうけ14日、参院議員会館で、袴田さんの姉の袴田ひで子さん(90)や弁護団らが参加して、報告集会が開かれました。「検察は特別抗告するな」など、無罪を勝ち取るための決意を語り合いました。

 弁護団長の西嶋勝彦弁護士は主催者あいさつで、争点となっていた血痕付きの衣類をタンク内に隠した人物について「再審決定では『捜査機関の者による可能性が極めて高い』とはっきりと書いている。その点でも画期的な決定だ」と強調。「袴田さんが犯人であることに合理的な疑いが生じていることは明白だ。速やかに再審を開始するためにも、検察側は特別抗告してはならない」と訴えました。

 間光洋弁護士は、2年余りにわたる差し戻し審で、みそ漬けにされた衣類の赤みが消えるか否かが争点だったと強調。「衣類がねつ造証拠だとすれば証拠の価値はなくなる。高裁決定は袴田さんの無罪確定を勝ち取る上で大きな前進だ」と話しました。

 ひで子さんは、「57年間たたかってきた中で一番うれしい。無罪を勝ち取るまでたたかっていきたい」と涙ながらに訴えました。

 日本弁護士連合会で再審制度の見直しに取り組む鴨志田祐美弁護士は、裁判所が再審開始決定を出しても検察官の抗告で決定が覆され、審理が長引くなどの実態があると指摘。検察に証拠を開示させるための法改正を求めました。

 布川事件の桜井昌司さんらえん罪被害者や映画監督の周防正行さん、プロボクシング関係者も訴えました。

 袴田巌死刑囚救援議員連盟の国会議員が参加。日本共産党からは仁比聡平参院議員があいさつしました。


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