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2023年3月11日(土)

“軍拡でなく平和的解決を”

デニー知事 シンポで訴え

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(写真)沖縄シンポジウムで講演するデニー知事=9日、ワシントン(石黒みずほ撮影)

 【ワシントン=石黒みずほ】訪米中の沖縄県の玉城デニー知事は9日、首都ワシントンにあるジョージ・ワシントン大学で開催された沖縄シンポジウムで講演しました。沖縄の歴史や現状を紹介し、緊張が高まる国際情勢の下での平和的な解決を訴えました。

 シンポジウムは、同大学と米外交政策シンクタンクのクインシー研究所が共催。オンラインでも配信され、会場には学生や政府・議会関係者など約80人が参加しました。

 デニー氏は、日本の国土面積の0・6%にすぎない沖縄に全国の米軍専用施設面積の70%が集中し、県民は基地があるゆえの事故や事件を経験してきたと指摘。辺野古の米軍新基地建設に県民は明確に反対していると述べました。

 台湾有事が懸念される中、日本政府が反撃能力の保有を含む安保3文書を閣議決定したことに言及。「軍事力増強による抑止力強化が緊張を高める。米軍基地が集中する沖縄が攻撃目標になることがあってはならない」と強調し、日米両政府に平和的な外交に取り組むよう訴えました。

 デニー氏は最後に「沖縄を訪れ、基地の現状をその目で見てもらいたい。問題解決を求め続けてきたその場のリアリティーを肌で感じてほしい」と参加者に呼びかけました。

 同大学でアジア学を専攻する中国人留学生オリバー・ジンさん(23)は、デニー氏が訴える外交による平和構築に強く賛同しました。「今の米中関係をみていると悲観的になる。時間はかかるけれど、関係を築くことは争いを事前に防ぐことにつながる」と話しました。

 デニー知事は同日、連邦議会調査局の分析官、アジア・太平洋系アメリカ人労働者連盟(APALA)の幹部らと面談し、訪米の主要日程を終えました。

 シンポジウム後、デニー知事は記者団に対し、「このタイミングで沖縄の現状を直接説明できたのは大きな成果だった」と強調しました。


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