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2023年3月11日(土)

東日本大震災から12年を迎えるにあたって

2023年3月11日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫

 日本共産党の志位和夫委員長は、東日本大震災から12年を迎えるにあたって談話を発表しました。全文は次の通りです。


 一、東日本大震災から12年を迎えるにあたり、犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者のみなさんにお見舞いを申し上げます。日本共産党は、被災者の暮らしと生業(なりわい)の再建、被災地の復興のために、国民のみなさんとともに、これからも力を尽くす決意です。

 一、岸田政権が、原発回帰と大軍拡への復興財源流用という、東日本大震災復興に二つの逆流を持ち込んでいることに強く抗議し、撤回を求めます。

 東京電力福島第1原発の大事故による甚大な被害、福島県民の苦難をなかったことのようにする原発回帰を断じて許すことはできません。原発事故はいまだに収束しておらず、溶け落ちた核燃料を取り出すメドもたたないまま、大量の放射能汚染水が発生し続けています。ところが岸田政権は「安全神話」を復活させて危険な老朽原発を60年以上も稼働させ、原発の新増設に踏み出そうとしています。政府と東京電力は汚染水の海洋放出を福島はもとより三陸沿岸の自治体や漁業者の強い懸念と反対の声を無視して強行しようとしています。汚染水の発生を食い止めるために全力をあげ、海洋放出の方針を撤回するべきです。原発ゼロ、省エネと再生可能エネルギーの抜本的強化で気候危機打開とエネルギー自給率の向上を同時に追求することこそ、東日本大震災、原発大事故を経験した日本が進むべき道です。

 岸田政権は、東日本大震災の復興特別所得税の約半分を大軍拡の財源に充て、国民への増税期間を延長するとしています。敵基地攻撃能力=反撃能力の保有と称して、相手国領土の奥深くまで攻撃する長射程ミサイルの大量配備や敵基地攻撃に対する報復攻撃を想定した司令部の地下化など自衛隊基地「強じん化」などのために5年間に43兆円にも軍事費を増やす、その財源の一部です。岸田大軍拡は、東日本大震災の復興にも障害となっているのです。「専守防衛」を完全に投げ捨て、憲法に違反する岸田大軍拡こそ中止すべきです。

 一、国に求められているのは、東日本大震災からの復興に最後まで責任を果たすことです。

 被災者の暮らしと生業の再建、被災地の復興は、長い時間を経過したことによる新たな困難が生じています。被災地の暮らしと生業の再建、地域経済の復興は、コロナ危機の打撃が回復しないもとでの物価・原材料費高騰に加えて、歴史的な不漁が三陸の主要産業である水産業・水産加工業に大打撃となるなど、大きな困難に直面しています。被災者の心と体の健康や高齢化による孤立化も深刻です。被災者の心のケアやコミュニティー形成などの被災者支援や暮らしと生業の再建に必要な支援を強化することをはじめ、国が最後まで責任を果たすことを強く求めます。

 一、住宅再建支援金の大幅な引き上げと対象の拡大、大型開発・新規事業から防災・老朽化対策への公共事業の転換など、東日本大震災の痛苦の教訓を生かす政治への転換が求められます。

 東日本大震災での被災者、被災自治体のみなさんの大変な苦労に向き合い、その教訓を生かす政治、災害から国民の命と財産を守る政治に変えるために、日本共産党は力を尽くしていきます。


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