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2023年3月8日(水)

主張

3・8国際女性デー

平和の思いつなぐ懸け橋の力

 きょう8日は国際女性デーです。1910年、デンマークで開かれた国際社会主義女性会議で、世界中で女性デーに取り組むことが呼びかけられたことが始まりです。この会議では「平和闘争のために」とする決議も採択されました。第1次世界大戦開戦後の15年に開かれた女性会議は交戦国の女性代表が集まり、戦争反対の行動を起こすことが提起されました。

 女性デーの歴史は反戦平和のたたかいと一体です。ロシアのウクライナ侵略が続く情勢のもとで、平和を求める女性の思いをつなぐ懸け橋として、各地の行動を成功させることが大切です。

意思決定の場への参加

 国連総会は77年、3月8日を「女性の権利と世界平和のための国連の日」と定め、国際的な取り組みとして発展しています。

 国連安全保障理事会は2000年、戦争や紛争の被害者はとりわけ女性と子どもであるとし、紛争の予防と解決、和平などの意思決定の場により多くの女性参加を促すことを強調した決議を採択しました。平和構築などに女性が主体的に参加し、貢献することを重視した初の安保理決議とされます。

 1990~94年のルワンダ内戦では多くの女性が戦闘行為の中で性暴力にあい、被害者は最大50万人とも推定されています。ルワンダは復興の過程で、国会議席に女性議員を一定数割り当てることを憲法で定め、女性の政治参加が進みました。それが短期間での政情安定につながったと国際的に評価されています。同国の女性議員比率は下院で61・3%と世界1位(2021年)となっています。

 日本で初めて女性デーが取り組まれたのは1923年、東京での講演会でした。戦前の軍国主義の時代、女性に参政権はなく、同講演会もわずか40分で解散させられました。しかし、弾圧下でも個人の家で集まりを持つなど女性デーの流れは守り続けられました。

 敗戦後の47年には、皇居前で女性デーの催しが開催されました。49年の女性デーは米軍占領下での妨害や圧力をはねのけ、117団体・1万5千人が東京・日比谷公園に結集し、「戦争はもう嫌だ、婦人の力で平和を守ろう」と力強く決議を上げました。

 岸田文雄政権が敵基地攻撃能力の保有や空前の大軍拡を進め、日本は今、「新しい戦前」とまで言われる戦後最大の平和の危機に直面しています。日本では100年の節目となる今年の女性デーの意義は極めて重要になっています。「軍拡ではなく、平和の準備を」の声を響かせ、女性の力で政治を動かすことが求められています。

社会変える契機にしよう

 日本の女性をとりまく困難の背景には、制度上は「男女平等」でも現実は根深いジェンダー不平等があります。男女は同じ期間、育児休業を取れますが、男性の取得は低いままです。世界で初めて生理休暇を47年に導入しながら、実際の休暇はなかなか取れません。男女の賃金格差は生涯賃金で約1億円にものぼります。ジェンダーギャップ指数116位という深刻な立ち遅れの打開は急務です。

 8日は女性デー中央実行委員会主催で銀座パレードや中央大会(オンライン併用)が取り組まれます。平和な社会と権利獲得をめざし歩み続けた伝統を受け継ぎ、大きく成功させましょう。


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