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2023年3月8日(水)

きょうの潮流

 もしも将軍が女性だったら…。徳川幕府を舞台に男女を逆転させたNHKドラマ「大奥」が好評です。風変わりな設定のなかに、今の日本社会にも通じる問題を投げかけています▼ある病の流行によって男子の数が激減。男性は希少な「種馬」とされ、女性は男性の代わりに仕事や政治にかかわる。将軍職も女性がひきつぎ、大奥は城内に集められた男性から「種」をうけ、血脈をつないでいく場になるという時代劇です▼産むことに重きを置かれ、性別で役割を押し付けられる世界を描いたドラマは、いまだ根強い性差別の現実をも映し出します。男女を逆転させることで不平等さが鮮明になった、改めて女性の苦しみがわかったという反響も▼日本の女性に認められている法的権利は男性の8割弱にすぎない―。男女同権が法的にどの程度進んでいるかを示した世界銀行の指数で、日本は主に先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)のなかで最下位でした▼とりわけ男女の格差が大きい政治の分野では各国が改善に努めるなか、世界から取り残されています。『さらば、男性政治』の著者、三浦まりさんは、とくに自民党が政権に復帰してから「まるで時が止まったかのようである」と指摘します▼21世紀の今日、男性ばかりの見慣れた光景を民主主義と呼んでいいのかと三浦さん。きょうは国際女性デー。性差別に対して声をあげ、だれもが平等に生きられる社会をつくるために連帯する日です。性に縛られない多様な世界をめざして。


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