しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年3月7日(火)

きょうの潮流

 「間違いなく談合ですね」。入居マンションの大規模修繕工事。業者を選定する際、建築士から告げられました。応札8社に同じ内容の誤記があり、入札額が2%刻みにきれいに並ぶ。10年ほど前、管理組合を襲った談合劇のことです▼結局、入札はやり直し。工事費は1億5千万円と当初の入札最低額より約3千万円安くなりました。損失は回避されたものの、あのときのことを思うとぞっとするやら、腹立たしいやら▼東京五輪・パラリンピックをめぐる談合はどれだけの損害をもたらしたのか。この入札談合で、広告最大手「電通グループ」など6社と組織委員会運営局元次長ら7人が起訴されました。テスト大会関連の入札リストを作成し、事前に受注調整をしていました▼広告・イベント業界が結託し五輪マネーの“甘い蜜”に群がり、もうけをむさぼりました。フェアプレーが求められる五輪を傷つけ、信頼をさらに失墜させた罪は重い▼公正取引委員会が過去の入札談合を分析したところ、想定受注額の約2割高く落札されていたと。これは先の個人的な経験とも符合します。今回の談合規模は437億円。多くは税金で、被害者は国民です▼五輪をめぐっては汚職事件も発覚しています。それでも国や東京都、スポーツ界に本格的な検証の動きはありません。組織委は公益財団法人のため、情報公開制度の対象外と清算法人は資料提供すらしていません。ここにも“談合”があるのか。徹底解明まで私たちにとっての東京五輪は終わりません。


pageup