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2023年3月5日(日)

きょうの潮流

 「これまで経験したことのない規模の事業量」。日本共産党の小池晃書記局長が2日の参院予算委員会で明らかにした、自衛隊基地の「強靱(きょうじん)化」に関する防衛省内部文書の一節です▼防衛省・自衛隊が保有する全国2万3000棟を、核・生物・化学、電磁パルスなどあらゆる脅威に耐えられるよう、地下化や壁の強化といった改修をする計画。「日本全土の戦場化」(小池氏)を想定し、自衛隊の司令部だけは生き残ろうというものです▼防衛省は、こうした工事を今後10年かけてすすめ、予算規模は前半の5年だけで4兆円。本格的な工事が始まる後半の5年は、さらに膨張するのは確実です▼重大なのは、国会に来年度予算案を提出してもいない昨年12月23日、大手ゼネコンなどを集めて計画を説明していたことです。戦前、大手土建企業が「軍建協力会」などに組み込まれ、軍の工事で巨額の利益を得た歴史を彷彿(ほうふつ)とさせます▼防衛省自身が「未経験」と告白する規模の工事に道を開いたのは、岸田政権の大軍拡計画です。「43兆円という砂糖の山に群がるアリ」のようだという、香田洋二元自衛艦隊司令官の指摘(「朝日」昨年12月23日付)は正鵠(せいこく)を得ています▼そもそも、なぜ「強靱化」が必要なのか。日本が敵基地攻撃能力を保有し、米軍とともに他国に攻撃を仕掛け、その結果として、相手国からの報復攻撃が想定されるからに他なりません。日本がやるべきは、戦争準備ではなく、徹底した外交努力で平和的な環境をつくることです。


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