しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年3月4日(土)

セクハラ 馬奈木弁護士を提訴

性的関係を強要

なくす会代表会見 憤りあらわに

写真

(写真)馬奈木氏を相手取り、1100万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、会見した知乃さん=3日、東京・千代田区

 演劇や映画界を巡るセクシュアルハラスメント撲滅に取り組む馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護士から性的関係を強要され精神的苦痛を受けたとして、依頼者だった舞台俳優の女性が馬奈木氏を相手取り、1100万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。女性は3日、東京都内で会見しました。

 訴状は2日付。女性は「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会(『なくす会』)」代表の知乃さん(25)。

 訴状などによると、知乃さんは過去の演劇関係者によるハラスメントを告発していたことをきっかけに、知人の紹介で2017年に馬奈木氏と知り合いました。

 馬奈木氏は、19年9月ごろから2年余にわたり、知乃さんに対し、意に反して体を触ったり、卑猥(ひわい)な言葉をLINE(ライン)のテキストで送るなど、「性的嫌がらせを日常的に繰り返していた」とされます。

 22年1月には性行為を強要し、女性が拒絶すると、怒りにまかせたLINEを送り付けるなどしたとしています。

 馬奈木氏は知乃さんの別の訴訟の代理人だったほか、「なくす会」の顧問も務めており、知乃さんは「性的誘いを断れば裁判対応も『なくす会』への関与も『やめる』と脅されていると受け止めざるを得なかった」としました。

 会見で知乃さんは、「自身の立場を利用して性加害に及んだ馬奈木氏には一生弁護士として仕事してほしくない」と憤りをあらわにしました。

 佐藤倫子弁護士は、馬奈木氏が演劇界のハラスメント問題について講演などをしていたことをふまえ、「被害者は社会的な力関係を利用されて追い込まれ、性的な関係から逃げづらくなっていた。『エントラップメント(わなにかける)型』のハラスメントだ」と話しました。

 馬奈木氏は1日にブログで文書を公表。「性的関係を迫る言動を続け、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その方を追い込んだ」とハラスメントを認めています。


pageup