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2023年3月4日(土)

3月8日は国際女性デー 都内でトークイベント

ジェンダー平等推進議員もっと

地方選 無理解候補にノー

 3月8日は国際女性デー。女性の社会参加と地位向上を訴える日です。国際女性デー記念トークイベント「ツッコミから始めるジェンダー平等」(主催=JustCo〈ジャストコ〉、選択的夫婦別姓・全国陳情アクション)が1日、東京都内の渋谷ヒカリエで開かれました。会場とオンラインで約350人が参加。みんなが生きやすい社会をめざして、語り合いました。(手島陽子)


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能條桃子さん
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中野晃一さん
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浜田敬子さん
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青野慶久さん
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小野瀬若葉さん
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清田隆之さん

 FIFTYS PROJECT(フィフティーズ・プロジェクト)代表の能條桃子さん。政治分野のジェンダーギャップ解消を目指して、活動しています。

 2年前、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった森喜朗元首相が、「女性がいると会議が長引く」と発言し、強い批判を浴びました。能條さんは「ツイッターのたくさんの怒りのコメントは、本人には伝わらないのだろう」と考え、署名を集めて抗議しました。

 「女性の政治家でもジェンダー平等を掲げない人もいます。統一地方選挙では、ジェンダー平等を進める立場の女性議員を増やしたい」と発言。「女性の社会参加で経済が成長するという議論もいいけれど、昭和型の経済を延命させるべきだろうか、とも思います。環境や、人間が満たされる社会をどうつくるかという視点が大切ではないでしょうか」と問題提起しました。

 「政治家たちが、夫婦別姓などの課題を実現しようとしない大本には、女性をバカにしているということがあります」。こう鋭く切り込んだのは、上智大学国際教養学部教授の中野晃一さんです。

 「男性は頭脳で、女性は産む性だという考えがあり、その差別のために、戦前は女性に参政権がなく、『慰安婦』制度もつくられました。いまも偏見は根強く残っています」といいます。「日本がどうして“24時間たたかえますか”というような社会になったのか。男性が家のことは妻にさせて、男は外で働けばいいという考えを変えられなかったことも影響しているのではないか。この社会のあり方や価値観を若い人に押し付けないようにしなくては、と思います」

波風立てよう

 ジャーナリストの浜田敬子さん。雇用機会均等法世代として、女性が少なかった新聞業界で「生き残っていかなくてはと、差別へのいろんな思いをのみ込んできてしまった」と振り返ります。「のみ込むことは、差別する側になることだった。差別に対しては、ノーと言わなくては。なるべく“波風を立てよう”と呼びかけています」

 浜田さんは「多様な社会課題をとらえるためには、企業や組織で男性が多数派の状況を変える必要がある」として、管理職やリーダーシップをとる地位に女性が増える必要があると訴えました。

 夫婦別姓を導入することを求めて裁判でたたかってきた、サイボウズ社長の青野慶久さん。「育児休業をとって育児に携わったとき、これは一人でできる仕事じゃないと思った」と言います。

 岸田文雄首相が「育休中のリスキリング(学び直し)を」と発言した件では、「子育てをしてこなかった政治家が言いそうなことですね」とツイート。「たくさんリツイートされて、表示は500万回に達しました」と紹介しました。

 「世論の7割は夫婦別姓に賛成なのに、立法権をもつ国会議員は反対の方が多いんですね。どうやって国会で賛成を増やすか考えて、反対議員をヤシノミみたいにゆすって落とそうと“ヤシノミ作戦”を立てました」とも。「国政選挙では、選択的夫婦別姓と同性婚に賛成しない人をリストアップしました。統一地方選挙は候補者が多いので、できるところからリスト化したい」

男性も行動を

 女性が勇気・自信・野心を持てる社会を実現しようとLean In Network Tokyo(リーン・イン・ネットワーク・トーキョー)を立ち上げたのは、小野瀬若葉さん。会社員として働く中で「差別がなくならない企業や組織は、存続に影響を及ぼす」と感じているといいます。

 小野瀬さんらが集めたアンケートでは、とても生き生きと働いていると感じている人が、男性は50%、一方の女性は27・2%でした。「管理職の希望者として手を挙げる際にも、知性やスキルなど、女性は100%要件を満たさないと手を挙げない、という傾向がある」と、女性が自信を持ちにくい社会状況を分析します。

 さらに、職場などで“男らしさのプレッシャー”を感じる男性の実態を紹介。「ジェンダー平等は、女性やマイノリティーを助ける以上に、社会全体を生きやすくするものです。いまは、男性も女性も、自分が望む生き方をできていない社会。男性のアクションや理解が不可欠です」

 恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表で、『さよなら、俺たち』などの著書で知られる文筆家・清田隆之さんは、「男性が、自分の内面について話すといいと思う」と提案します。

 「経歴とか仕事の話とかではなく、お茶でも飲みながら“つらいんです”と語り合って、聞き合えることが大事。モヤモヤや不満はどこから生じているのか、自分を掘り下げるといいのではないでしょうか」


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