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2023年3月2日(木)

クローズアップ

鉄路維持「国の責任で」 町長・JA…口々に

共産党の提言「かなり賛成」

 鉄道の地方路線の廃止等を協議する場を国主導で設置することなどを盛り込んだ「地域公共交通活性化法」改定案が、今国会に提出されています。審議に先立ち、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員と紙智子参院議員は2月、鉄路の廃止が進む北海道を調査しました。関係者は、鉄道網維持と地方公共交通に対する「国の責任」を強く求めました。(国会議員団北海道事務所 小田一郎)


写真

(写真)札沼線が廃線となった浦臼町の川畑町長(左から2人目)と懇談する(右へ)高橋、畠山の両氏=2月10日

 2016年の豪雨災害被災箇所が復旧されず、代行バスで結んでいる根室本線・富良野―新得間。住民が、存続をめざす新たな取り組みを始めています。

 富良野市「鉄道未来の会」の宮田均代表は紙氏に、「国が『観光立国』『移住促進』などを掲げるのなら鉄道は繋がっているべき」と訴えました。

 同会と新得町「根室本線の災害復旧と存続を求める会」、北見市「石北沿線ふるさとネットワーク」は1月、道北~道東~オホーツクの周遊鉄道創出を掲げ、根室本線維持を求める署名を開始。有原和一事務局長は、「旭川、新千歳両空港を結ぶ鉄道ルート、石勝線が被災した際の代替ルートとしても維持すべき」と言います。

 新得町の会の平良則代表は被災から6年間、佐野周二事務局長と二人三脚で存続を訴え続けてきました。「地方がこのまま切り捨てられて良いのか」と思いを語りました。

地図

全国を結ぶ

 トラック運転手の時間外労働が24年4月から年間960時間に制限される「2024年問題」。道商工会議所連合会の福井邦幸氏は、「経済への影響は深刻。黒字のJR本州3社の法人税を鉄道網強化に活用を」と提起しました。

 JAグループが道外に移出する農畜産物は年間約250万トン、約3割は鉄道輸送です。

 士幌町農協はジャガイモなどを鹿児島まで道外約100市場に出荷。久保武美常務は、「広島市の市場はJR貨物駅から15キロに対し舞鶴港は390キロ。船だとトラックが回らない」。國井浩樹組合長は、「鉄道貨物は全国を繋ぐ国民のインフラ」と強調しました。

解決できる

 高橋議員は、3年前に廃止された札沼(さっしょう)線沿線を訪れました。

 浦臼町の川畑智昭町長は廃線後、バス会社の運転手不足で「滝川市へ町営バスを運行している」と話します。

 月形町の上坂隆一町長は、「地域公共交通のベースは国の責任で」と述べ、日本共産党が昨年12月に発表した鉄道網の維持・活性化に向けた「提言」について、「かなり賛成です」と表明しました。

 芽室町農協の宇野克彦組合長も紙議員に、党が提案した「国有民営」方式について「国が鉄道施設を持てば重い貨物による鉄道の棄損(きそん)問題を解決できる」と応じました。

 畠山和也元衆院議員と党地方議員・予定候補らが同行しました。

 維持困難路線 JR北海道は2016年、「単独では維持困難」な赤字路線13線区を公表。輸送密度200人未満の5線区の廃止・バス転換を求め、3線区は廃止されました。道の報告書でも「維持」を求めませんでした(18年)。2000人未満の8線区は、地元負担を前提に「維持に努める」などとしています。


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