2023年3月2日(木)
きょうの潮流
「子どもが増えれば実現できる」―岸田政権が掲げる「子育て予算倍増」を報道番組で問われ、木原誠二官房副長官がこう答えました。“異次元”という少子化対策の中身は空っぽではないか。怒りが広がっています▼コロナ禍で子育て世帯の困窮はいっそう進み、真っ先に収入減や失業に見舞われたのが非正規雇用の子どものいる女性たちでした。子育てにお金がかかるのに、教育費をはじめ負担は重くのしかかり、「子育て罰」との言葉が頭をよぎります▼子どもを持つことに伴う所得減少を指す経済学の概念「チャイルド・ペナルティー」。各国と比べても日本の女性は子どもを産めば労働所得が大きく減ると指摘されています▼これを「子育て罰」と訳出したのは社会福祉学者の桜井啓太氏。共著『子育て罰―「親子に冷たい日本」を変えるには』(光文社新書)では、訳語に込めた思いにも触れています。「子育て罰」ということで、政治や制度など罰を与えている側の責任が可視化できる、と▼親の低賃金や乏しい家庭支援策によって生み出されるのが「子どもの貧困」です。だからこそ、政治の役割が重要だと述べる同氏。子育てには「罰」ではなく、「ボーナス」こそ必要だと明快です▼高校無償化や児童手当に所得制限を導入し、親の所得によって支援を削ってきたのも自公政権です。そして今、軍事費倍増だけは即決し、危険な道へ突き進もうとしています。子育て・教育予算を圧迫する点からも、大軍拡は決して許せません。








