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2023年2月28日(火)

空自セクハラ 国提訴

現役女性隊員「相談したら不利益」

東京地裁

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(写真)提訴後会見する原告弁護団=27日、東京都千代田区

 航空自衛隊の現役女性自衛官が、所属していた那覇基地でセクハラを受けたにもかかわらず、部隊が被害女性を保護せず、被害回復の配慮や不利益防止の措置を取らなかったとして、国に対し約1170万円の損害賠償を求めて27日、東京地裁に提訴しました。

 原告側弁護団によると、女性隊員は2010年の入隊直後から、上官からのセクハラ発言を受け、その後10年以上にわたって被害が続きました。女性自衛官はセクハラ発言を受け、隊内の相談員に相談しましたが、改善されなかっただけでなく、自衛隊側は女性に不利益を与え続けました。女性は現在、希望していなかった別の基地に配属されているといいます。

 女性隊員は2016年、セクハラの事実を認定してもらおうと、加害自衛官を相手取って那覇地裁に提訴。同地裁は、「公務員個人である被告が不法行為責任を負うことはない」として女性自衛官の請求は棄却、一方で加害者の反訴に対しては、セクハラ行為が事実上あったと認定しています。原告弁護団は、自衛隊が原告の請求棄却を受け、事実を組織的に隠蔽(いんぺい)しようとしているといいます。

 提訴後の会見で、原告弁護団の武井由起子弁護士は、訴えを起こした女性隊員の「声を上げられない人はたくさんいる。みんなの力を借り、何があったかを明らかにしたい。責任をとってほしい」との声を紹介しました。

 田渕大輔弁護士は「自衛官の人権がないがしろにされていいのか」と強調。訴訟を通じ、自衛官の人権を守ることは国の責任であることを明らかにしたいと語りました。

 佐藤博文弁護士は、ハラスメント防止に向け自衛隊の実行のあり方がポイントになるとしました。


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