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2023年2月27日(月)

戦争する国づくり止める

軍拡競争の危険性訴え 学者の会シンポ

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(写真)報告後に議論する(左から)布施、阿古、加藤の各氏と、司会の中野晃一上智大教授=26日

 安全保障関連法に反対する学者の会は26日、オンラインシンポジウム「安保政策大転換 戦争をする国づくりを止める」を開きました。岸田政権による大軍拡強行がなぜ起こり、どう阻止できるかを討論しました。学者の会は、2015年の安保法制=戦争法に反対する運動の中で、多分野の研究者によって結成されました。

 加藤陽子東大教授(歴史学)は、岸田政権の安保3文書と戦前の「帝国国防方針」を読み解き、双方とも議会で議論されなかったと指摘。戦前の日米の軍拡競争の歴史を振り返り、日本が中国との軍拡競争にはしる危険性を訴えました。

 三牧聖子同志社大准教授(国際政治学)は、米国では防衛費ではなく国民生活を優先させる「人間の安全保障論」を求める世論が高まり、中国との危機を対話で管理する政治的試みもあると強調。岸田政権の安保政策に強い懸念を表明し、「日米軍事一体化」とは異なる道を提起しました。

 ジャーナリストの布施祐仁氏は「台湾有事」で想定される日本の甚大な被害や、日本全土が「ミサイル発射台」となる危険性を指摘し、有事をあおる与党政治家を批判。日本は双方の緊張を緩和させる「仲介外交」を展開すべきだと主張しました。

 島薗進東大名誉教授(宗教学)は、自民党内には常に戦前の「神聖天皇崇敬」をよみがえらせる動きがあると指摘。統一協会が2000年代以降、個人の尊厳より家族の秩序を重んじ、同党と癒着を深めてきたのは、軍国主義化の流れと連動していると強調しました。

 阿古智子東大教授(社会学・中国研究)は中国の深刻な人権状況を報告。民主主義が活力を維持するため、その構成員が主体的に制度運営に参加し、情報管理や言論空間を公正にしていく必要性を訴えました。


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